普通の人が最後に笑える「投資信託」という金融商品
どこを、どのように考えても、サラリーマン家庭が資産形成を進めるには、投資信託をおいて他に適した金融商品はないのです。
理由を並べてみましょう。
第一に、少額資金で投資できます。
かつて、投資信託の最低購入金額は1万円程度からでしたが、今は一部のインターネット証券会社が100円で積み立てられる仕組みを構築しています。金額的なハードルは全くないと断言してもよいでしょう。
第二に、分散投資ができること。
株式への直接投資の場合、100万円、200万円程度の資金では、満足のいく分散投資はできませんが、投資信託は大勢の投資家がお金を出し合ってファンドを組成し、それを通じてさまざまな株式、債券などに分散投資する仕組みを持っています。
第三に、そのお金の運用を、プロのファンドマネジャーが責任を持って遂行してくれることです。
いくら儲けている個人投資家でも、プロの運用者に敵わないことは、前述したとおりです。
第四は、積立投資が容易であること。
最低積立金額は販売金融機関によって異なりますが、たとえばセゾン投信なら、毎月5000円から定額積立が可能です。また、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAを活用することによって、運用益などの非課税メリットを受けながら、有利に資産形成を進める制度も充実してきました。詳しくは後述しますが、このような非課税制度は、国民に与えられた権利ですから、積極的に活用するとよいでしょう。それによって、リターンは大幅に改善されます。
資産形成に投資信託を用いることのメリットは、大体この4点に集約されます。
私たちには時間が無限にあるわけではありません。特に40代の方は、定年までの残された20年間で、どれだけ効率よくお金をつくっていくかが勝負です。ムダな投資で寄り道したり、失敗している暇はないはずです。
株やFXといった博打をするなら、確実に運用できる積立投資を今すぐ始めていただきたいと思います。
中野晴啓(なかのはるひろ)
セゾン投信代表取締役社長。1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。07年4月より現職。「R&Iファンド大賞」最優秀ファンド賞を4年連続受賞。公益財団法人セゾン文化財団理事、一般社団法人投信協会理事。著書に『預金バカ』『退職金バカ』(講談社)、『投資信託はこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。
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