S‘more社から、一頭ずつ異なる犬の鼻の紋様=鼻紋をAIで識別するNoseIDアプリβ版が、5月21日(土)リリースされた。
リリース後3週間弱で5,000頭の登録を達成し、現在は精度向上のため1万頭の登録を目指し、愛犬家に呼びかけているという。
鼻紋認証技術を活用した日本初のサービス
NoseIDアプリβ版は、鼻紋認証技術を活用した日本で初めてのサービス。鼻をスマホでスキャンするだけで犬を特定、飼い主に連絡ができるようになる仕組みだ。災害時や迷子時等愛犬家と犬の予期せぬ別れを防ぐツールとして期待されている。
鼻紋は人の指紋のように成長しても形が変わらず、犬と同様に鼻紋で個体識別ができる牛では、ブランド牛の証明にも使われているのだとか。NoseIDアプリはこの個体識別能力に着目し、AIの深層学習を活用して鼻紋を解析することで犬を特定。登録が増えれば増えるだけ認証精度は向上し、現在、認証率は85%から92%まで向上しているという。
迷子犬を発見した人と飼い主が手軽に助け合える
NoseIDアプリで飼い主がアプリで犬の鼻の動画を撮影し登録しておくと、迷子等の時に発見者が犬の鼻を自身のスマホアプリで撮影すると登録済みの犬の照会が可能となる。
鼻紋が一致した場合には、発見者と飼い主が個人情報を伏せた状態でメッセージのやり取りもでき、迷い犬はすぐに飼い主の元へ。また、愛犬が迷子になった際には、周辺エリアのユーザーにも通知することができる。
アプリ登録時には、犬の鼻だけでなく生年月日やワクチン接種状況、既往歴、アレルギー、薬、性格等の入力も可能。災害時に愛犬と離れて避難する場合や緊急時に第三者に預けるケースでは、預かった人が鼻をスキャンするだけで犬の状況が瞬時に確認できるため、早い施術に繋げることができる。
マイクロチップの装着を義務付ける改正動物愛護管理法が施行されているが、マイクロチップは迷子犬が最終的に保護された施設において専用リーダーで読み込むため、“最後の砦”としての役割。NoseIDアプリはその手前で、迷子犬を発見した人や飼い主同士がスマホでより手軽に助け合える役割を担っていくことを目的としているという。