スタッフは「キャスト」と呼んでいる
――お直しスタッフを『キャスト』と呼んでいるのも、キヤスク独自ですね。
写真はイメージです。
前田「キャストの3分の2以上が、ご自身のお子さんやご家族に身体の不自由な方がいて、これまで家族のために服を作ったり直されてきた方です。キヤスクでは、キャストの技術力と同じくらい、キャストの『お直しの想像力』を大事にしています。お客様の困りごとが具体的にイメージできることが、お客様の要望にあったお直しにつながります。経験者だからこそわかる部分は多く、お客さまが注文をする際に気軽にお直しの相談ができると考えています。自分の子供の洋服を直すなかで培った技術と想像力を、今度は別の方に提供したいというキャストがたくさんいます」
――経験者だからこそわかる、というのは大きな強みですね。
前田「とはいえキャストの方はボランティアではありません。キヤスクを支えてくださる大切なメンバーなのでキャストと呼ばせていただいてます。またサービスはお手頃価格を意識していますが、キャストにはきちんと還元できる仕組みを作っています」
「本当に嬉しい」母親から感謝
――実際にキヤスクのサービスを利用された方からはどのようような声が届いていますか。
トレーナーを前開きにして、気管切開のため、キーネック加工(首元を4cm下げて欲しい)にお直しし。
前田「お子さまの服を注文してくださったお母さまから、『これからは、子どもに着せやすい服ではなく、着せたいと思える服を自由に選んでいいんだと思うと、本当に嬉しい』という声や『健常児の長男に着せていた思い入れのある服が着やすくなって、障害児の次男にも着せてあげられることがとても嬉しい。出来上がりも丁寧で心がこもっていて、なんだか新品を買うより嬉しい。温かい気持ちになりました』という声を頂いています」