着やすい服を作るのではなく、お直しにこだわる理由
――キヤスクが身体の不自由な方向けの服を作るのではなく、「お直し」にこだわった理由はなんですか?
ボタン留めをマジックテープ留めに変更。片手や弱い力でも開閉可能に!
前田「私も最初は、身体の不自由な方向けの服をユニクロで作ればいいのでは?と考えました。身体の不自由な方向けのオシャレなアパレルブランドを立ち上げるのも一つの方法だと考えたんです。でも、それだと着る服の選択肢が多少増えるだけで、根本的な解決にはならないと思いました。そのブランド以外にも着たい服はたくさんありますよね。であれば、着たい服を自分の身体にあわせて直してしまえば、どんな服でも着られると気付いたんです。直してしまえばユニクロの服も含めて、世の中にあるありとあらゆる服が着られるなと」
作業はオンラインで完結
――キヤスクには店舗がありませんが、お直しはどのように注文するのでしょうか。
横開きにお直し。身体が動かしにくい、足を曲げづらいという方でも着脱がラクになります。
前田「注文は全てオンラインで行います。キヤスクにはキャストと呼ばれるお直しスタッフがいるのですが、お客様と担当キャストがオンライン上でお直し内容を細かく打ち合わせします。お直し内容が決まったら、お客様がキャストの自宅にお直しする服をヤマトの匿名配送で送り、料金をお支払いいただきます。その後、キャストからお客様のご自宅に、お直しされた服がヤマトの匿名配送で戻ってくる仕組みです。」
――ほぼオンラインで作業が完結するのですね。
前田「手頃な価格でお直しできるのも、着たい服が自由に着られる大事な要素の一つです。ですので、広告費や運営費にお金をかけないことと店舗を持たないことでサービスの価格を下げています。オンラインであれば、店舗がなくても誰でもいつでも気軽にサービスを注文することができます」