人とコミュニケーションを取るのは苦手
――本作は不器用な人たちの物語ですが、おふたりは、周囲の人と関係を築く際に大切にしていることはありますか?
『冬薔薇』より
小林「いや、僕なんてそんな立派なことを言える立場じゃないなぁ。うちの父親も人との付き合い方が下手で、自分もそれを多少なりとも受け継いでいると感じます。かろうじて、どうにかコミュニケーションを取ろうとは思うんだけど、なかなか難しいなぁと思いますね。ほんと、そういう部分は分かってないなぁと思います」
――余さんは、人とのお付き合いも得意そうですが。
余「ダメです。できないです。何か役をいただいたら、その役になって、相手の役の人と交流できますが、そうじゃなければすごく苦しいし、知っている人以外とは交流できません。友達も少ない方です。でもこういう職業ですし、人にものを伝えるといったことは、大切だとは思っているんですけどね」
小林「怖いのは、この仕事をやっていなかったら、それこそ自分の中でシャッターをおろして内向きに閉じこもっていたと思うんです。この職業は、現場に行ったら『この作品を作る!』というただひとつしかないわけです。年齢も立場も関係ないと。スタッフも含めてひとつになる。そんなことって、コミュニケーションも取れない普段の僕には考えられないことなので、本当にこの仕事をやっていてよかったなと思います。やっぱり、好きですからね、現場が」
余「私も! 自分の人生のなかで、唯一の正解が、この仕事を選んだことだと思っています」
(C) 2022「冬薔薇(ふゆそうび)」FILM PARTNERS 『冬薔薇(ふゆそうび)』は全国公開中
<撮影・文/望月ふみ> 望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
提供・女子SPA!
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