岐阜市にある長良川温泉は、中心市街からほど近い立地ですが、長良川に面して旅館が建ち並ぶ落ち着いた景観が魅力です。古い町並みを散策したり、ロープウェイで金華山に登って絶景を眺めたりと、観光もたっぷりと楽しめますよ。
岐阜県 長良川温泉とは
長良川温泉は、岐阜県岐阜市にある温泉地です。鵜飼(うかい)で有名な長良川沿いに、7軒の旅館が立ち並んでおり、岐阜県や愛知県名古屋市近郊の温泉地として親しまれています。
泉質は単純鉄冷鉱泉で、鉄分を多く含む茶褐色の湯が特徴です。効能は、神経痛、筋肉痛などの一般的適応症、婦人病などとされています。
周辺には、散策が楽しい古い町並みの「川原町」、絶景が眺められる「金華山」、長良川の鵜飼について学べるミュージアムなど、多くの観光スポットが点在しており、日帰りで訪れる観光客も多くみられます。
風情あるレトロなエリア「川原町」周辺を散策しよう
長良川沿いには、川原町と呼ばれる古い町並みがあります。格子戸のある家屋が並ぶこの町は、かつて長良川の水運を利用した川港として栄え、多くの商店で賑わっていたそうです。
現在は、古い町並みはそのままに、和雑貨やカフェなどの店が営業しており、観光客に人気です。風情ある通りをゆっくりと散策してみましょう。日本三大仏とも称される「岐阜大仏」があるエリアまで足をのばすのもおすすめです。
長良川デパート湊町店
長良川デパートは、岐阜県の伝統工芸品を取り扱うお店です。岐阜市で古くから作られている和傘「岐阜和傘」や、岐阜提灯のほか、県内の郡上や美濃といった地域で作られた工芸品が所狭しと並んでいます。
店内には、長良川流域の酒蔵で醸された日本酒も販売されています。こちらは有料ですが、試飲して飲み比べることもできます。岐阜のお酒を何種類か味わってみたり、気に入ったものをお土産にするのも良さそうですね。
十八楼の手湯
創業約150年以上になる老舗旅館「十八楼」には、通りに面して手湯が設けられており、誰でも気軽に利用することができます。こんこんと湧き出る茶褐色の湯に手を漬けてみると、じんわりと体も温まってくるようです。
緑水庵
緑水庵は、川原町の北の端にある、町屋カフェです。落ち着いた店内で、美味しいみたらし団子や鮎菓子、各種飲み物などがいただけます。
店内は、一段高い畳敷きの部屋のほか、テーブル席もあります。あまり広くはありませんが、奥には坪庭もあり、雰囲気はとても良いです。通りから少し奥まった場所に客席があるので、静かにくつろげるのも魅力です。
筆者はこちらで、みたらし団子や素焼き団子(各90円)をいただいてみました。みたらし団子には、岐阜県産のハツシモという品種の米粉が使われており、ふっくらとした食感と米粉が持つ甘みが感じられます。タレも老舗醤油店のたまり醤油を使っており、このふっくらとした団子によく合っています。
素焼き団子は、素焼きした団子に粒あん、きなこがかけられています。甘いものが好きという方にはたまらない和菓子でしょう。
岐阜大仏(正法寺)
岐阜大仏は、黄檗宗の寺院「正法寺」にある仏像です。高さ13.63メートルもある大きな仏像は、木材の骨組みに粘土や漆、紙などを塗り重ねた乾漆仏としては日本一の規模とされており、岐阜県の重要文化財にも指定されています。
江戸時代の建築とされる御堂に入ると、正面に大仏を眺められます。金色に塗られた大仏は非常に堂々とした姿ですが、どこか優しい表情をしており、訪れた人を癒しているようにも思えます。休日でも混雑することは少ないようですので、ゆっくりと鑑賞できますよ。
古民家カフェ「茶人」
カフェ茶人(ちゃっと)は、岐阜大仏からほど近い場所にある古民家カフェです。テーブル席や座敷もある店内では、岐阜産にこだわったランチや飲み物が味わえます。
飲み物では、コーヒーがおすすめです。こだわりのブレンドやスペシャリティーコーヒーを、店主が丁寧に淹れています。定番ブレンドの「光秀」450円や気まぐれブレンドの「信長」500円などがあります。
筆者は、アイスコーヒーの「義龍」500円を注文しましたが、とてもコクがあり、豊かな香りも感じられ、非常に美味しくいただけました。
ランチには、岐阜県の素材を使ったメニューが充実しています。高山市の荘川蕎麦を使った「手打ち飛騨荘川もりそば」(並盛700円、大盛1,000円)や、飛騨牛と本巣市の卵を使った「ちょっと憎(肉)らしい飛騨牛100%ハンバーグロコモコ(1,000円)などが用意されています。
こちらのお店は、ご夫婦2人で営業しておられ、特別営業日は店主1人で切り盛りされているようです。料理や飲み物の提供に時間がかかることがありますが、それでも大丈夫という方は立ち寄ってみてください。
長良川の鵜飼について知ろう
長良川の鵜飼とは
鵜飼とは、鵜(う)という鳥を操り、川魚を捕る漁法のことです。美濃国(現在の岐阜県)では、1300年前から鵜飼を行う集団がいたとされています。この鵜を操る人のことを鵜匠(うしょう)と呼びますが、ここ長良川には、宮内庁の御料場があり、皇室に納めるための鮎を捕る「御料鵜飼」が行わえているため、長良川の鵜匠には「宮内庁式部職鵜匠」という役職が与えられています。
長良川の鵜飼は、毎年5月11日から10月15日まで行われますが、これを見学できる観覧船は、長良川流域有数の観光資源となっており、毎年約10万人が利用しています。
鵜飼の魅力がわかる「長良川うかいミュージアム」
長良川うかいミュージアムは、岐阜市の代表的な伝統文化である「長良川の鵜飼」の価値や魅力を分かりやすく紹介するため、平成24年に開設された施設です。館内では、迫力ある映像や模型、資料で鵜飼について解説しており、誰でも興味深く学べるようになっています。
2階には、大型シアターによって鵜飼について紹介するガイダンスシアターがあります。シアターは、原寸大の鵜舟とスクリーンが一体化しており、目の前で鵜飼を体感しているかのような雰囲気で、鵜飼とはどのようなものかが学べます。
1階では、鵜飼の歴史や伝統を受け継ぐ鵜匠の世界、鵜の生態について解説しています。鵜の生態について紹介するコーナーには、実際の4倍もある大きな鵜の模型があります。体に設置されたモニターで、鵜の体についても紹介しています。
鵜飼を鑑賞してみよう
毎年5月から10月15日までの夜間に行われる長良川の鵜飼は、観覧船から見学できます。料金は、大人3,400円、子ども1,700円で、平日の18時45分、19時15分出船の大人料金のみ3,100円です。
この料金は乗船のみですが、お弁当とお茶がセットになったコースもあります。予約は電話かインターネットで行えます。詳しくは、こちらのWEBサイトをご覧ください。