今年2月に7枚目となる最新アルバム『ラヴ・サックス』をリリースしたアヴリル・ラヴィーン。トラヴィス・バーカーを始めとしたプロデューサー陣を迎えて制作されたこのアルバムは、彼女の原点回帰ともいえるポップ・パンク全開の作風となっており、キャリアを積んだ彼女のミュージシャンとしての芯の強さと、柔軟さが入り交じるまさに傑作と呼ぶに相応しい内容だった。そんなアヴリルのデビューアルバム『レット・ゴー』がリリースされたのが20年前の2002年6月4日。当時の彼女はまだ17歳だったにもかかわらず、その才能がまさしく爆発したかのような才気溢れる内容になった本作には「コンプリケイテッド」や「スケーター・ボーイ」といった大ヒット曲を中心に数多くの名曲が収録されている。また、当時の女性アーティストとしては異例ともいえるボーイッシュなファッションセンスや、まさしく等身大の彼女の目線による歌詞世界などは、またたくまに世界中のティーンエイジャーの心を鷲掴みにして、一躍時代のスターとなった。
そんな『レット・ゴー』の魅力は今もまったく色あせないどころか、昨今のY2Kブームにも乗る形で若い世代からも再評価されている。そんななか、『レット・ゴー』20周年記念盤が6月3日にリリースされた。今回、この記念盤がリリースされるにあたり、収録されたボーナス・トラックの中でも、とりわけトピックとなっているのが、今回アヴリル自身によって新規にレコーディングされた「ブレイクアウェイ」。『レット・ゴー』制作当時に楽曲は出来ていたものの、イメージがアルバムに合わないといった理由から収録が見送られ、のちにケリー・クラークソンに提供されて日の目を見たことでも知られている。そんな「ブレイクアウェイ」が今回、現在のアヴリルによって新たにレコーディングされ収録されており、ファンにとってはまさしく垂涎の内容となった。
20年の時を経て、新たな輝きを見せ始めるアヴリル・ラヴィーンの『レット・ゴー』。収録楽曲の「スケーター・ボーイ」は映画化が進行していることがすでに公表されているほか、今年は11月に来日公演も控えているアヴリル。この機会に永遠のマスターピースともいえる『レット・ゴー』に改めて浸かってみるのはどうだろう。