「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」でダンスパフォーマーとして活躍する藤原樹。
『明日、私は誰かのカノジョ』公式サイトより
彼のダンスの表現力が、今やっと、映像作品での演技に活かされはじめている。クールで精悍な表情が目を引く、紛れもないイケメンの立ち姿は、画面に映えに映える。
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、2022年話題のドラマ『ソロ活女子のススメ2』『明日、私は誰かのカノジョ』に出演する藤原樹に魅せられつつ、画面を超えて伝わる彼の魅力を綴ってみたい。
『ソロ活女子のススメ2』の清々しい瞬間
映画やドラマ作品での活躍の機会はあまりない印象の藤原樹だったが、2022年は、いきなり話題のテレビドラマ作品に軸足を移したようだ。
江口のりこが、プライベートはおひとり様で優雅な時間をすごすソロ活女子・五月女恵に扮するドラマ『ソロ活女子のススメ』(2021年、テレビ東京系)の待望の続編『ソロ活女子のススメ2』(2022年、テレビ東京系)。この作品の第1話ゲストとして登場した藤原が、とにかく素晴らしかった。
前作よりソロ活道に磨きがかかってきた恵が、早めに仕事を切り上げ、アフタヌーンティーを楽しむためにやってきたのが、名門老舗「ホテル椿山荘東京」だ。美しい庭を眺めながらすごすひととき。それに相応しいサーブをするのが、店員役の藤原樹。なんて贅沢なアフタヌーンティーだろう。
正直なところ、すこしたどたどしく頼りない感じがする藤原の演技だけれど、席に案内するためにくるりと翻り、カメラのほうに顔を向けた瞬間では、「THE RAMPAGE」のパフォーマーとしての切れ味を感じさせた。
この瞬間、画面下手の端ぎりぎりにフレーミングされた藤原のきりっと端正な顔立ちを見て、背筋がぴんとなる。彼の凛々しさ、瑞々しさが、一瞬のうちに画面を越えて視聴者に伝わってくるような、そんな生々しくも、清々しい瞬間だった。
贅沢なティータイムを疑似体験できた不思議な感覚
藤原なら、英国の格式あるスタイルでも、イタリア製の細見な仕上げのスーツでも、何でも着こなしてしまうことだろう。ところが、一点、チャラさ満点の髪型は、彼のたどたどしい演技同様に、この場所に似つかわしくないように思ったが、そんな些細なこと、やっぱり杞憂に過ぎなかった。
恵が、三段になったお菓子スタンドの形について質問すると、自分もサーブするようになってから勉強したのだと言って、正直に前置きしてから、回答するという潔い態度。いや、好感度急上昇! 人を見た目で判断してはいけないなんて、どうでもいい教訓が頭をかすめながら、すでに藤原樹の虜となっている午後のティータイムの始まり。
瞬きひとつせずに、「はい」と受け答えする藤原の精悍な表情が、窓ガラスに映る。外に広がる美しい庭園と二重写しになるフォトジェニーな瞬間を見て、思わずドキッとしてしまった。
お茶のお代わりを促しにきたところに、恵が今度は一番下の段のサンドイッチがなぜキュウリなのか聞いてからというもの、彼は水を得た魚のように、英国文化の伝統に根ざした自慢のアフタヌーンティーについて解説をしてくれる。藤原君の魅力が、画面を越えて伝わってくるひととき。とっても贅沢なティータイムを疑似体験できた気分になった。