回転寿司チェーンの2強ともいえる「くら寿司」と「スシロー」。実はこの両社の最近の業績は対照的です。くら寿司が絶好調であるのに対してスシローは停滞。くら寿司とスシローが明暗を分けた理由について解説します。
くら寿司とスシローの最近の業績は?
はじめに、くら寿司とスシローの直近の業績を見ていきましょう。
くら寿司
くら寿司株式会社の2022年10月期第1四半期におけるIRを見てみると、次のようになっています。 (単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|---|
2022年10月期第1四半期 | 46,452 | 687 | 2,656 | 1,708 |
2021年10月期第1四半期 | 38,879 | 885 | 916 | 588 |
前年対比 | 19.5%増 | △22.4% | 189.8%増 | 190.4%増 |
くら寿司株式会社の2022年10月期第1四半期の業績は、前年と比べて売上高、経常利益、純利益が増加しています。しかも、連結経常利益は前年同期比で3倍に迫る26.5億円に急拡大しました。一方で、営業利益は前期と比較して2割以上減少しています。
スシロー
スシローを展開している株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの2022年9月期 第2四半期におけるIRは次のようになっています。 (単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 税引前利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|---|
2022年9月期第2四半期 | 140,257 | 9,572 | 9,046 | 5,588 |
2021年9月期第2四半期 | 119,042 | 13,114 | 12,414 | 7,811 |
前年対比 | 17.8%増 | △27.0% | △27.1% | △28.5% |
株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの2022年9月期 第2四半期の業績では売上は増加していますが、営業利益、税引前利益(経常利益)、純利益ともに前年より大幅減で、苦戦が続いているのが分かります。
また、2022年9月期 第2四半期の決算説明資料を見ると、スシロー単体の国内の上半期の売上高は、前年比で96.2%に減少していました。
くら寿司の好調とスシロー苦戦の理由とは
くら寿司の好調とスシロー苦戦の理由はどこにあるのでしょうか。スシローでは、苦戦が続く理由を、コロナの影響としています。たしかに、両社ともコロナの影響は大きいでしょう。くら寿司、スシローともに、営業利益が赤字であることからも推測できます。
ただし、くら寿司はコロナ禍であっても売上は増加しています。これは、コラボ商品やかにフェアなどにより、家族層やヘビーユーザーを取り込めているためと考えられます。
一方、スシローの売上高は低下しています。スシローがテイクアウトに力を入れていますが、今一つ業績に結び付いていないようです。
コロナ収束後、両者の業績はどう変化していくのでしょうか。スシローの巻き返しも期待されます。
文・はせがわあきこ
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