「子ども達がだらしなくなる」という声も

――この「生理の貧困」は、もともとは主に大学生が声をあげた問題として表面化した印象があるのですが、それよりも若い年代の子たちにも身近であると?

ささき「私はむしろ、助けなければならないのは小中高生の年代ではないかと感じています。大学生になれば、自分でアルバイトができるので、自分で購入するという選択肢はある。でも、それよりも下になると自分で自由になるお金も持てないんですよね。学校にも生理用品の無料配布を、と思い立ったのは、公共施設だと学区内外の問題で取りに行けない子どももいるからなんです」

――なるほど。ただ、ささきさんのツイッターで「生理用品を無料設置する事で、子ども達がだらしなくなるから学校に設置したくないと言われました」という記述を見て驚いたのですが……。その理由が生徒が甘えるから、なんて理由だということにも衝撃を受けました。

ささき「本当にガッカリしました。1週間生理があるとしても1日2時間おき、12時間起きてたら6~7枚×日数。それくらいないと間に合わないのに……」

――それをお金のない子どもたちが自腹で用意することが、どれほど大変なことか……。

小さいサイズのナプキンだけでは足りない

ささき「子どもたちのリアルな声を聞けば聞くほど、必要とされる適正なものをあげて欲しいと思うんですけどね……設置している自治体すら、自発的に用意する生理用品って、20×5cmの一番小さいサイズのものしかないんです。『JOY』には薄型やもっとロングなもの、デザイン性のあるものなど、多種多様な生理用品が送られてきます。なので、私たちが設置しているスポットだと、たくさんの中から自分に合うものが選べるようになっているんです」

ナプキン買えない子を助けたいのに…無料配布に反対する人の“ガッカリな理由”
(画像=『女子SPA!』より引用)

――一番需要があるのは、どんなものなのでしょうか?

ささき「圧倒的に30cm以上の夜用サイズです。小さいサイズは安いかもしれないけど、漏れることもあるじゃないですか。生理の量って親子でも全然違うんですが、それを知らないとみんな同じで十分という発想になっちゃうんです。結局、漏れるのが嫌だから学校に行きたいないって子も出てくるわけで。そんなことで教育の機会を逃すって勿体ない。学校を生理でも安心できる環境にしてあげたいんですよね」

――学校側で長いサイズの生理用品を用意する動きはないのでしょうか?

ささき「『長いのを渡すと替えなくなるからやめてください』と言われたことがあります」

――ええ……。そういう問題じゃないでしょうに。

ささき「無料スポットも学校もそうですけど、生理用品を必要としている子たちが最善で使えるものを取り入れるべきなんですよ。ただでさえ生理って辛いのに、こんな状況では余計に辛い。少しでも生理期間を快適に過ごせさせてあげたいです」