学校や企業など…様々な場面で見かけるスローガンですが、いざ「スローガンを作ろう!」となると、例や作り方がなければ意外と難しいですよね。この記事では、基本的な作り方を解説しています。実際の例も掲載していますので、是非参考にしてみてください。
スローガンの基本的な作り方は?
作り方①|目標を決める
スローガンの作り方において、スローガンにする「目標」がなければ作ることができません。まずは「目標」を明確にすることから始めましょう。会社の場合、企業理念などを参考にしながらスローガンとする内容を決めましょう。
作り方①|スローガンのターゲットを決める(誰に対して伝えたいのか?)
スローガンの作り方の基本として、スローガンは「伝える相手」がいなければ、意味を持たないものになってしまいます。実際に作る前に、作成するスローガンを「誰に伝えたいのか」を明確にさせておく必要があります。これをターゲットの「ペルソナ化」といいます。
始めは漠然としたイメージでもかまいません。年代や性別、職業といった様々なカテゴリーから少しずつターゲットを選定していきましょう。思うように定まらない場合は、実際にマインドマップ(頭の中で考えていることを関連させて書き出した図)を作成しながら進めると、再度まとめ直す必要がなくなるのでおすすめです。
作り方②|ターゲットの目線になる(相手にどう伝わって欲しいのか?)
スローガンの作り方において、間違われやすいのですが「伝えたいことや魅力をまとめた」だけのスローガンでは、伝えたい相手には「ただの自慢」と伝わってしまう場合もあります。これでは、ターゲットが見えていないため、魅力的なスローガンとはいえません。
そのため、スローガンを作るにあたって「ターゲットの目線になる」ことが最も大切なポイントと言えます。アピールするポイントが、ターゲットとする相手に対して何ができるのかをまとめておきましょう。ターゲットとする年代や職業にマッチする人が、思わず目を留めるようなキーワードも調べておくと良いでしょう。
作り方③|企業の将来像なども取り入れる(企業の場合)
スローガンは「作ったら終わり」というものではありません。スローガンの作り方において、出来上がったスローガンを見たターゲットが「どのようなイメージを持つのか」も考えて作ることも大切です。そこで、企業の将来的なビジョンをイメージできるようなメッセージを取り入れましょう。
また、スローガンはターゲットだけでなく、事業に携わる社員や職員の目にも入るため、社員のモチベーションを高めるメッセージも取り入れると更に良いでしょう。
作り方④|リズミカルなスローガンにする(学校の場合)
学校の体育祭や行事においてもスローガンを各自で作成するという場合もあります。行事などに用いるスローガンの作り方と企業用のスローガンの作り方を比較すると、行事用スローガンの方が、ターゲットがすでに決まっているため「テーマ」や「キーワード」も決めやすいという違いがあります。
この時、単調な文章にならないように、文章やキーワードをリズミカルにつなげることを意識すると良いでしょう。学校の行事では特にスローガンを読み上げる場面も多いので、覚えやすく、読みやすいスローガンにしましょう。また、倒置法や四字熟語などを取り入れている例も多くあります。
作り方⑤|パロディ感を出して親しみやすくする(学校の場合)
学校行事で用いるスローガンの場合は「面白さ」や「親しみやすさ」も大切です。そのため、流行語をアレンジしたものや、人気ドラマのタイトルなどを参考にしたスローガンもユーモアが出て良いでしょう。
スローガンの作り方のコツ・注意点は?
①スローガンにインパクトを持たせること
より人々から注目されるスローガンの作り方において、スローガン自体に「インパクト」を持たせることは大切です。既存のスローガンを参考にしたり、過去のスローガンをアレンジするのも良いかもしれませんが、場合によってはありきたりなものになってしまいます。
特に、中・小規模の会社の場合は、スローガンにインパクトがあるかどうかによって、消費者に知ってもらえる期会が増えたという例も少なくありません。
また、会社のイメージとは一見かけ離れているようなスローガンや広告が消費者の興味をそそる場合もあります。しかし、インパクトを出そうとして、様々なフレーズをただ並べるだけでは、会社に対する具体的なイメージやビジョンが見えにくくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
②スローガンはポジティブな内容にすること
スローガンとは元々、何かしらの目標や主張をまとめたものであり、消費者やターゲットへのアピールだけでなく、スローガンを定めることで社内全体や団体を一致団結させる切っ掛けになるものとも言えます。そのため、より良いスローガンの作り方のポイントとして、スローガンの内容はポジティブなものにする必要があります。
③抽象的すぎる表現をスローガンでは使わない
スローガンの作り方において、企業の目標やビジョンなどをいかに短い文章でまとめられるかがカギになります。しかし、あまりにも集約しすぎて「社会に貢献する」「価値がある」などといった抽象的な内容になってしまうと、具体的な内容がターゲットに伝わらなくなってしまう場合があります。
また「幸福」や「想像」などの言葉も一見聞こえは良いですが、スローガンを作成した企業がどのような会社であるのかが、消費者にはわかりにくくなってしまいます。より良いスローガンの作り方のポイントの一つは「内容に具体性を持たせること」です。透明性のあるスローガンはターゲットの警戒心を解く切っ掛けになります。
会社や企業における社内スローガンの例文と作り方のポイント
例①|「お口の恋人」(株式会社ロッテ)
このスローガンは、有名お菓子メーカーの一つである株式会社ロッテのスローガンであり、有名文学作品をモチーフとしたスローガンの例です。因みに、会社名にもなっている「ロッテ」は、ドイツの文豪であるゲーテが書いた『若きウェルテルの悩み』という作品のヒロイン・シャルロッテに由来しています。
「永遠の恋人」と呼ばれたシャルロッテのように、全ての人に愛され続ける存在でありたいという願いが込められているスローガンです。オリジナリティのあるスローガンの作り方のポイントとして、文学作品や有名な著書などをスローガンの参考にするのも良いでしょう。
例②|「一瞬も一生も美しく」(資生堂グループ)
このスローガンは、化粧品メーカーとして有名な資生堂グループのスローガンであり、企業の目標をスローガンにした例です。「美しく生きたい」と願う全ての人々に満足してもらえるように、より良い商品の提供を続けることを意味しています。「いつまでも美しくありたい」という女性の想いを見事に表現したスローガンです。
スローガンの目的は何と言っても「ターゲットに自社や自社の製品に関心を持ってもらうこと」です。ターゲットや目標を明確化しておくことで、スローガン自体が具体的になりますし、より消費者の目に留まりやすくなります。
目標などを表したスローガンの作り方のポイントとして、ターゲットがどのようなことで悩んでいるのか、あるいはどんなサービスがあれば消費者が興味を持ってくれるのかなどをあらかじめリサーチしておくと良いでしょう。
例③|「今日を愛する」(ライオン株式会社)
このスローガンは、日用品などを開発・販売しているライオン株式会社のスローガンです。「今日」という日を積み重ねたものが人生であり、全ての人の一日一日に役立つことがライオン株式会社の仕事であるということを表現しています。長い歴史のなかで、私達の暮らしを支えてきたライオン株式会社ならではのスローガンです。
例④|目指してる、未来がちがう。(株式会社SHARP)
このスローガンは家電製品の会社として有名な株式会社SHARPが2010年1月から掲げているスローガンです。目指している未来のイメージが他と違うからこそ、他では思いつかないような製品やサービスを実現できるということを表現しています。
一見「違う未来って何のことだろう?」と思わせるようなスローガンですが、企業が目標としていることや企業理念などが上手く短い文章にまとめられているスローガンと言えます。
また、株式会社SHARPの旧スローガンに「目のつけどころがシャープでしょ」というものもあります。こちらのスローガンは、社名を取り入れるという珍しいスローガンです。企業であれば特に、多くの人に知られる必要がありますので、社名を用いる方法はインパクトがありますよね。
例⑤|「Thinkdifferent」(Apple社)
このスローガンはインターネット関連機器やデジタル家庭電化製品でおなじみのApple社のスローガンです。他の企業とは違った発想や考え方が画期的なアイデアにつながるという、創業者・スティーブン・ジョブズ氏の信念がスローガンになっています。
英語を用いたスローガンは、格好良いイメージを持っている人も少なくありません。しかし、日本語のスローガンと同様に、英語のフレーズを並べるだけでは一目見ただけで意味が伝わりにくい場合があります。誰が見てもすぐ意味がわかるように、シンプルなものにすると良いでしょう。
普段の生活で見かける身近なスローガンの例文と作り方のポイント
例①|注意一秒、ケガ一生(道路標識、工事現場など)
私達の身近にあるスローガンの例として交通安全協会のスローガンがあります。このスローガンは、学校や地域で行われる交通安全教室、道路標識などで一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。同じ漢数字を使いながら、「注意」と「ケガ」の大きさの違いをリズミカルに表現しているスローガンです。
例②|早めからつけるライトで消える事故(全日本交通安全協会)
全日本交通安全協会のホームページに掲載されているこのスローガンは、事故防止に対する意識を高めるためのスローガンであり、五七五調でリズミカルに表現されています。「つける」と「消える」という反対語を用いているのも何度も読み上げたくなるようなスローガンになるポイントと言えます。
例③|ちょっと待てそれって良いこと?悪いこと?(警視庁防犯標語)
警視庁の防犯標語に掲載されているこのスローガンは、規範意識の醸成を目的としたスローガンです。道路標識やポスターなどで見かけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。見ている人に対して問いかけるような文章は、印象に残りやすいでしょう。