万が一の病気やケガの際に、治療費の負担や収入ダウンをカバーしてくれるのが医療保険です。男性と女性では疾病リスクやライフスタイルなどが異なり、それぞれが自分にベストな保険を選ぶ必要があります。女性が医療保険を選ぶ際に気を付けたいポイントやおすすめの保険をご紹介します。

女性に医療保険が必要な理由とは?

(写真=PIXTA)

女性特有の疾病リスクが高い

女性に医療保険が必要な理由の1つ目が、女性特有の疾病リスクです。女性特有とされる病気には乳がんや子宮頸がんといったがんをはじめ、子宮筋腫や卵巣のう腫などの病気があります。どれも入院や手術を伴う場合がある病気のため、治療費の負担や働けなくなるリスクが高くなります。

ライフスタイルの変化が大きい

理由の2つ目は、女性はライフスタイルの変化が大きいことです。女性は就職した後に結婚や出産により退職したり、出産を経て社会復帰したりと、社会人になった後もライフスタイルが変わりやすいものです。加えて、それぞれのタイミングによって自身のリスクも変化します。

年代別のリスク

15~39歳までのすべてのがん患者の75%は女性であるといわれています。がん治療はその方法にもよりますが、その後の妊娠や出産に影響を及ぼす場合があります。そのため20~30代の若い世代の女性は、がんなどの大病のリスクに備える必要があります。

40~50代になれば、大病のリスクも当然ながら、仕事や子育てなどの責任も大きくなるため、自分が働けなくなったときの収入ダウンをカバーする保障も検討すべきです。

結婚して夫の扶養に入っている方でも、自身の病気によって治療費が家計を圧迫したり、家事の負担を外食や外注などで賄うことによる支出も増加したりする可能性があります。

女性向け医療保険とは?

(写真=PIXTA)

女性向け医療保険の仕組み

女性向け医療保険とは、通常の医療保険に「女性疾病特約」を組み合わせたものが一般的です。女性特有の疾病に対し、保障が上乗せされるという仕組みです。

女性疾病特約とは?

女性疾病特約とは、女性特有の病気やすべてのがんに対し、入院給付金や手術費用が上乗せされる特約のことです。例えば通常の医療保険の入院日額5,000円に、女性疾病特約の入院給付金5,000円を上乗せすると、女性特有の病気で入院した際に限り、入院給付金は日額で1万円を受け取ることができます。

女性におすすめの特約

女性におすすめの特約をご紹介します。特約とは保険の主契約に付加する契約で、自身が希望する保障を上乗せすることができます。特約の付加は契約時にしか行えない保険がほとんどですが、会社によっては健康状態に問題がなければ契約中に途中付加できる保険もあります。

1. 女性疾病特約
各保険会社が定める女性特有の病気で入院した際に、入院給付金が上乗せされる特約です。女性特有の病気に加え、妊娠や出産に伴う異常分娩のリスクにも備えることができます(帝王切開などの異常分娩は医療保険の基本保障から給付される場合もありますが、さらに手厚い保障をつけるため)。

2. 抗がん剤特約
抗がん剤治療を受けた際に月額で給付金が受け取れる特約です。がんに罹患した際、妊娠や出産を見据え身体に負担をかけたくない女性にとって、抗がん剤治療が最善の治療法になる場合があります。

3. がん一時金特約
がんに罹患した際に、一時金としてまとまった金額が受け取れる特約です。一時金に使用制限はなく、治療費以外にも雑費や交通費、その後の生活費などに充てることができます。

掛け捨て型と貯蓄型

医療保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」があります。それぞれの特徴を思慮し、自身の価値観に合ったタイプを選択することが大切です。

1. 掛け捨て型
支払った掛け金は返金がなく、何もなければ全額が掛け捨てとなる保険です。メリットとしては掛け金を低額に抑えることができます。

2. 貯蓄型
何もなければ支払った掛け金が戻ってくる保険です。一定期間ごとに健康祝い金が出る「お祝い金型」と、何もなければ満期に全額が戻る「満期型」などがあります。また貯蓄型の保険を解約した場合は、解約返戻金を受け取ることができます。掛け捨て型よりも掛け金が高いのが特徴です。

短期払いと終身払い

掛け金の払込期間には「短期払い」と「終身払い」があります。

1. 短期払い
期間を定めて掛け金を払い込む方法です。保険期間が終身のタイプであれば、定めた期間で支払いを終えれば、生存している限り掛け金の負担なく保険を持つことができます。

2. 終身払い
期間を定めず、保険期間が続く限り掛け金を払い続ける方法です。高齢になっても掛け金の負担が続くというデメリットがある反面、短期払いよりも月々の掛け金を低額に抑えることができます。

女性におすすめの医療保険

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オリックス生命「新キュア・レディ」

女性特有の疾病やすべてのがんを手厚く保障しながら掛け金の水準が低い、コストパフォーマンスの良さが魅力です。

  • 30歳女性
  • 入院日額5,000円+女性入院給付5,000円+先進医療特約
  • 保険期間:終身、払込期間:終身
  • 月額保険料:1,928円

アフラック「ちゃんと応える医療保険レディースEVER」

契約締結後でも特約を追加することが可能なので、ライフステージの変化に合わせて保障内容を充実させることができます。

  • 30歳女性
  • 入院日額5,000円+女性疾病入院5,000円+先進医療
  • 保険期間:終身、払込期間:終身
  • 月額保険料:2,576円

メットライフ生命「フレキシィS女性専用タイプ」

女性疾病の範囲の広さが魅力です。保険期間中に入院があっても10日未満であれば「健康祝い金」を受け取ることができます。

  • 30歳女性
  • 入院日額5,000円+女性専用入院上乗せ保障5,000円
  • 保険期間:終身、払込期間:終身
  • 月額保険料:2,667円

自分にベストな保険選びを

(写真=PIXTA)

女性向け医療保険を選ぶポイントと、おすすめの保険をご紹介しました。若いうちは特に、女性は男性よりも医療保険が役立つ機会が多く、保険選びは慎重に行う必要があります。月々の掛け金だけにとらわれず、価値観に合った自分にとってベストな保険を準備しましょう。

文・世良真貴男(ファイナンシャル・プランナー)

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