「もしも」の入院や手術などに備えて、検討しておきたいのが生命保険。20代のうちは、「使うかどうか分からないものにお金を払うのは、もったいない」と思うかもしれません。しかし、若いからといって健康である保障はありませんし、貯蓄が充分でない20代のうちは特に、保険の必要性が高いのです。今回は、20代女性が保険を選ぶ時のポイントやおすすめの保険についてご紹介いたします。
20代の女性が保険に入るときに考えるべきこと
20代の女性は、これからライフスタイルの変化が起こりやすい年代です。
例えば、出産時に、帝王切開となる可能性もありますよね。帝王切開は、生命保険から給付金を受け取れる会社が多く、妊娠中の異常で入院する際も生命保険が役立つことがあります。
また、結婚をして仕事を辞めた場合には、パートナーの収入から保険料を支払うようになることもあります。保険を解約したり、保障を減らしたりして保険料を抑えなければいけないこともあるので、ライフスタイルの変化と共に見直しましょう。
20代に必要な保障はどんなものがある?
基本の保障について
まず、保険で備えられる保障は「死亡」「医療」の2つがあります。死亡保障は、養う家族がいる場合など、家族の生活費を遺したい場合に考える保険です。20代でお子さんがいない場合や独身の方は、急いで加入する必要はないでしょう。
次に、医療保障は、病気やけがの入院・手術の際に給付金が受け取れるものです。入院時の給付金は1日当たりの給付額×入院日数となり、1日当たりの給付額は最低5,000円から任意で設定できる会社が多いです。生命保険文化センター「生活保障に関する調査(2016年)」によると、入院1日当たりの自己負担費用は約2万円となっていますが、最低限の入院1日当たり5,000円で加入しておけばよいでしょう。
手術給付金は、保険会社によって入院中の手術しか出ない場合もありますし、入院中の手術と外来の手術、どちらも出るけれども給付金の金額が違うこともあります。加入する際にはチェックしておきましょう。
オプション保障は、どう入る?
オプションを追加することで、保障を手厚くすることもできます。
20代の人が入院・手術以外に追加しておきたい保障は、「三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)」と「がん」に関するものです。厚生労働省「国民医療費の概況(2017年)」によると、医科診療医療費が最も多いのが「循環器系の疾患(脳血管疾患、高血圧性疾患、心疾患など)」、次いで「新生物(腫瘍)」となっています。20代で三大疾病やがんにかかる割合は低いのですが、手軽な保険料で治療費が高額になりやすい病気に備えることができるので、おすすめです。
三大疾病やがんには、オプションで保障を付けることができます。
保障内容は、所定の状態になった場合に一時金として50万円や100万円などが支払われたり、保険料の支払いが免除されたりするものが多く、がんの保障はそれ以外に、放射線治療の際に給付金が別途もらえたり、通院時の保障があったりと、さまざまな特約があります。また、一時金を50~150万円程度付けておくと、入院・手術・通院などの費用に充てられるだけではなく収入の補てんにもできます。先進医療を受けた時に、上限の範囲内で治療費が全額負担してもらえる「先進医療特約」も、月々100円~200円程度で付けられるので、付けておくと良いですよ。
20代で保険に加入するメリットは、月々の保険料負担が少ないことです。ポイントを押さえて、基本保障とオプション保障を準備しておきましょう。
20代の女性におすすめの保険
20代女性におすすめの保険を3つご紹介いたします。
1、チューリッヒ生命「終身医療保険 プレミアムDX」
割安な保険料で、一生涯をカバーしてくれる点がポイントです。25歳女性の場合で、入院給付日数60日型、入院給付金5,000円プランの内容で、月々1,297円です。(先進医療特約付き、保険料払い込み期間は終身払いで試算)入院中の手術は10万円、外来での手術は5万円という内容です。「3大疾病診断給付金特約」を追加しても、月々2,332円と保険料負担も心配なさそうです。
2、アクサダイレクト生命「がん定期」
「がんの保障を手厚くしたい。けど、負担は少なくしたい」という方は、終身タイプではなく、10年間と期間が決まっている「定期タイプ」の保険がおススメです。25歳女性の場合で、がんの入院1万円/日、がんと診断されたら診断給付金100万円が受け取れる内容で、月々570円です。10年後に、継続する場合は保険料が上がってしまいますが、この安さは魅力的です。
3、メットライフ生命「USドル建て終身保険 ドルスマートS」
「掛け捨て保険料は少なくしたい」と、貯蓄性のある保険を希望される方は、積立利率が最低3%保障されている、こちらがおすすめです。保障内容は、死亡保障がメインですが、三大疾病・介護給付終身保険特約プランの場合は、がんと診断された時や三大疾病で所定の状態になった時などにも死亡保険金と同額を受け取ることができ、保障期間は一生涯です。
支払期間は短ければ短いほど月々の保険料は高くなりますが、支払期間が短いと、保険料の支払いが終わった後が楽になるメリットもあります。支払期間が10年の場合で保障額が5万ドルの場合は、月々1万5千円程度の保険料支払いになります。保険料や保険金の受取が、為替によって変動すること、がんでも、「上皮内新生物」の場合は保障対象外である点がデメリットではあります。
ライフステージの変化に合わせて見直そう
初めて保険に加入される方は、何が良いのか迷いますよね。それぞれの保障に対して、「いつまで必要か(保険期間)」「いつまで支払うか(保険料の払込期間)」「家計に負担のない金額はいくらか(保険料の金額)」を考えてみてください。一度加入して終わりではなく、結婚、出産、住宅購入、などライフステージの変化に合わせて保険も見直していけるので、20代の今、必要な保険を上手に選んでください。
*内容や保険料に関しては、2019年11月9日時点のものを使用しています。
*加入する際は、保険担当者に内容確認するなどして、「出る・出ない」やデメリットをしっかり検討しましょう。
文・冨士野喜子(ふじのFP事務所)
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