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2019/10/26

本当にお得?医療保険の加入者が受けられる控除の仕組みとは?

(写真=PIXTA)
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「医療保険に加入していると税金の控除があってお得」と耳にしたことがある人も多いはず。ただ、実際にどのような仕組みで税金の負担が軽くなるのか、またどれくらいお得なのかご存じでしょうか?その仕組みを理解しておきましょう。

生命保険料控除は保険料を支払うことで税金が軽減される制度

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納税者が生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合には、「生命保険料控除」という一定額の所得控除を受けられます。病気やけがを保障する医療保険も「介護医療保険料」に含まれるため、控除の対象となります。

控除とは一定の金額を引くという意味で、本来の所得から控除分を差し引いた「課税所得」に対して税金がかけられます。課税所得の増加に伴い支払う税金の額も増えていくので、控除を利用して課税所得を減らせば所得税や住民税の負担を減らすことができます。ただそのためには、事前に申請しなくてはなりません。

保険会社が発行する証明書を年末調整や確定申告で提出

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保険料の控除を受けるには、自分が加入している保険の「保険料控除証明書」が必要になります。毎年10月頃に保険会社から加入者宛に「生命保険料控除証明書」と書かれた郵送物が送られてくるので、確認したうえで保存しておきましょう。

会社員であれば、11月頃に会社から渡される「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入して控除証明書を提出するだけで自動的に控除を受けられます。年末調整後に所得税が減額されると、余分に払った所得税が還付金として給料と共に振り込まれます。

個人事業主の場合は、毎年2月から3月にかけて税務署で行われる確定申告の際に生命保険料控除の欄に記入し、証明書を付けることで控除が受けられます。住民税も確定申告をもとに計算されるので、特に手続きする必要はありません。

会社員、個人事業主とも還付金が戻るのは所得税だけで、住民税では戻らずに翌年の税金が安くなる仕組みです。

生命保険料控除が受けられる保険の種類

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生命保険料控除は1月1日から12月31日までの1年間で支払った保険料で計算し、支払った保険料に応じて控除額が決まります。2012年1月以降に加入した保険契約から生命保険料控除の取り扱い対象が変わり、現在対象となるのは一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料となります。今回は現在の新制度に基づく控除について説明します。

「一般生命保険料控除」は生存や死亡の場合に保険金が支払われる保険が対象で、受取人が保険料を支払う本人や配偶者、親族である必要があります。定期保険や終身保険、養老保険、学資保険などが該当します。

医療保険が該当するのは「介護医療保険料控除」で、病気やけがなどに保険金や給付金が支払われるがん保険、介護保険、就業不能保険なども含まれます。

「個人年金保険料控除」は年金の受取人が保険料を支払う本人またはその配偶者であることが前提となります。10年以上定期的に保険料を支払っていることや、60歳以降に10年以上の定期や終身で年金を受け取るなどの各種条件を満たすものが対象です。

なお、契約期間が5年未満の生命保険などは控除の対象にはならない場合もあるので確認が必要です。

各保険とも控除上限金額は4万円のため合計で最大12万円

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「一般生命保険料控除」「介護医療保険控除」「個人年金保険料控除」の保険料控除額はそれぞれ4万円が上限のため、最大で12万円を所得額から差し引くことができます。控除対象となる保険料の上限はそれぞれ上限が8万円に設定されているので、年間保険料が増えても保険料控除額は各保険で4万円までということを覚えておいてください。

年間に支払った保険料により、所得税の控除額は4段階に分類されます。国税庁の公表資料をもとに、実際にいくらぐらいの保険料控除を受けられるのかシミュレーションしてみましょう

仮に生命保険料を2万円、介護医療保険料を7万円、個人年金保険料を8万円支払っているとします。所得税控除で算出すると、生命保険料は「2万円以下は保険料全額」なので2万円、介護医療保険料は「4~8万円以下は保険料×1/4+2万円」なので3万7,500円、個人年金保険料は「8万円超は一律4万円」なので4万円となり、合計で9万7,500円が控除されます。

たとえば、給与年収400万円の会社員の場合は所得税法で定められている給与所得控除額を計算すると134万円になるので、それを引いた給与所得は266万円となります。基礎控除や社会保険料控除などに加え、さらに9万7,500円の生命保険料控除額を引いた金額に対して所得税がかかる仕組みです。

妻や子どもなど家族の保険も支払者の控除対象になる

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生命保険料控除は契約者が誰であるかにかかわらず、実際に保険料を支払っている人が対象となります。契約者が誰なのかは要件ではなく、あくまでも実際に誰が保険料の支払者なのかで判断されます。

たとえば、妻が保険の契約者であっても夫の口座から保険料が支払われていれば、妻は対象とはならず控除額は夫に加算されます。保険料を支払っている本人またはその家族が保険金の受取人になっていれば、妻や子ども、親などが契約者であっても支払者である夫の所得から控除が受けられます。

申告しないと税金軽減の恩恵が受けられないので注意

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生命保険料控除制度を利用するには、必ず自ら申告して手続きを行う必要があります。控除を目的にわざわざ保険に加入するほどお得とはいえないものの、加入しているならば申請しないと損をしてしまうので注意しましょう。証明書が送られてきているかを確認し、11月を過ぎても届かない場合は保険会社に連絡してください。

文・渡辺友絵(ライター・編集者)

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