貯める&備える
2018/12/10

「余ったら貯蓄」ではお金が貯まらない?すぐにマネできるお金持ちの予算管理術

(写真=aslysun/Shutterstock.com)
(写真=aslysun/Shutterstock.com)
貯蓄・資産形成をしたいなら天引きの自動引き落としがオススメだ。天引き後のお金は「自由に使えるお金だ」と無意識的に分類する心理作用が上手くはたらく。これは行動経済学では「メンタル・アカウンティング(心の会計)」と呼ばれる効果だ。毎月積立てに回した部分は、「毎月積み立てている」と感じない。自由に使えるお金とは切り離した存在になっているものだ。

富裕層は人間の心理的なクセとの付き合い方が上手で、「仕組み」でコントロールする。「知らぬ間の出費」への感覚が鋭く、「貯まる仕組みづくり」の達人といえるだろう。富裕層のコスト感覚についてみていこう。

「余ったら貯蓄」ではなぜお金が貯まらないのか?

給料で受け取った手取り額から、毎月余った部分を貯蓄しようと考えても、実際にはなかなか貯蓄に回すことは難しい。ボーナスで臨時に支給された部分も、気が付けばいつのまにか無くなってしまったと実感している人も多いと思う。金融機関の普通預金の残高に応じた生活レベルになってしまっている。

お金が足りなくなると、出金するというパターンではなかなか貯蓄を残すことは難しい。仮に前月に余ったお金を作ることに成功しても、今月になったら、先月苦労してプラスにした部分も併せて使ってしまったという経験をする。長続きさせるには強い精神力が要るだろう。

なぜ無駄使いをしてしまうのか 「今」が大事な双曲割引

人は「非合理的」な一面を持っている。今の価値が将来よりも高いと感じてしまうことを行動経済学では「双曲割引」と呼ぶ。

「今が大事で明日のことは明日考えよう」という誘惑に人は陥ることがある。将来を考えると年金の受給額だけでは生活できそうにない不安を感じ、将来に備えて貯蓄が必要だと何となく感じている。だから昼食代を節約して普段から無駄を抑えようと努力する。しかし、その努力も空しく、解き放たれるタイミングが発生するのだ。

「明日は休みだから、今晩はどんちゃん騒ぎ、タクシーで帰ろう」となり、平常時に考える予算よりもはるかに多い金額を1日で使ってしまったことはないだろうか。あるいは衝動買いで高価な買い物をして、後々、生活費不足に苦しんだり、後悔したりといった経験はないだろうか。人間は、遠い将来の快適な暮らしよりも、飲食やイベントなどで得られる「今の楽しみ」に価値を感じてしまいがちだ。

堅実な富裕層は「袋分け」で目に見える予算管理

堅実な富裕層の生活は意外に質素な場合がある。金額の大きさは異なるものの、活用する貯蓄術の王道のひとつは、主婦が使う「袋分け」と同じアイデアだ。「袋分け」ではまずは過去の収支から以下の項目の月あたりの予算を決める。おこづかい、冠婚葬祭、美容費、被服費、クルマ維持費、旅行積立て、住居修繕積立て、医療費、保険料、毎週の生活費などだ。

決定した予算金額を給料日に出金し、実際に「おこづかい」用の袋に入れ替え、その金額の範囲内で毎月やりくりをすることで、気付かない間に無駄な出費が抑えられるというものだ。袋から「出金」する時に予算の残高の確認を都度、実際に行う効果もある。

この袋分けを更に進化させ、クリアファイルと見出しの付箋などを使って、毎月繰り返し使えるように工夫している事例もあるようだ。また、生活スタイルに変化があった場合は、その都度予算の見直しを随時行うことも可能だ。これはもう「メンタル・アカウンティング」ではなく、「袋分け・アカウンティング(会計)」とも言えるシステムだ。
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