投資を始めるメリットというと「お金が増えること」だと考える人が多いでしょう。しかし投資によって得られるものはそれだけではありません。本当に価値があるのは、物事の本質を見極める「投資家の視点」が身につくことです。そこで今回は、ビジネスで活かせる「投資家の視点」について解説します。

20代が投資によって得られる2つの価値

最近は、20代のうちから投資を始める人が増えてきました。投資で得られる価値というとまず「運用益」を思い浮かべる人が大半でしょう。

実際多くの人は「うまく運用して資産を少しでも増やしたい」という考えで投資を始めます。しかし投資で得られる本当の価値は、運用益だけではありません。それは「投資家の視点」が身につくことです。

「投資家の視点」は、多くの富裕層が自然と身につけているものの見方とも言われています。早いうちから投資をすることで、こうした「富裕層の視点」「投資家の視点」を身につけることができれば、ビジネスで大きな差がつくでしょう。

「最近あの人、調子がよさそう」「あの人の仕事の仕方、変わったな」といった人が周りにいるとしたら、もしかするとそれは投資の影響かもしれません。

それでは続いて、20代が身につけておきたい「投資家の視点」について、より踏み込んで解説していきたいと思います。

多くの富裕層が身につけている「投資家の視点」とは?

「投資家の視点」とは、本質を見抜くものの見方のことです。ただ「投資家の視点」は、意識せずに身につくものではありません。

一例を挙げてみたいと思います。たとえば、話題の新商品を見たとき、まず何を思うでしょうか?「こんなのが流行っているのか」「自分も買ってみたい」「プレゼントで喜ばれるかも」といった感想を抱いたとしたら、それは一般消費者の視点です。

投資家は違います。投資家は以下のような視点で考えていると言われています。

  • なぜこの商品が今売れているのか
  • この商品を生み出した企業は、商品が売れることを意図していたのか
  • この商品は、今後さらなる展開が望めるだろうか これが「投資家の視点」です。こうした「投資家の視点」をすぐに身につけるのは難しく、無理をして考えても知識がないと結論は出ません。しかし「投資家の視点」で考えるクセをつけることは、大きな意味があります。

    「投資家の視点」で20代のビジネス経験がどう変わるか

    「投資家の視点」を身につければビジネスに活かせるという理由は、「経営者の視点」と「投資家の視点」には類似性があるからです。投資家は、ものごとの一局面だけを見ることはしません。

    経営者も同じです。投資家も経営者も大局を見渡し世の中がどのように動き、「時代が何を欲しているのか」「世界は今後どこに行くのか」を心のどこかで常に考えています。

    「投資家の視点」を身につけることは、一社員であっても「経営者の視点」で世の中を見渡す訓練になるでしょう。具体的には、個人の成果だけでなく会社の成果を考えられるようになることで、仕事への姿勢や発言する内容が変わります。

    また新たな視点によって企画力や商品開発力が磨かれ、周りを俯瞰して見ることでチームを率いるリーダーシップが身につくでしょう。

    個人で成果をあげる人間が出世するのは、せいぜい20代のうちだけです。本気で出世を目指すなら20代のうちから1つ上の視座に立つことが大切になります。