「貯蓄」「貯金」は同じような意味で使われがちですが、明確な違いがあります。資産美人を目指すなら、「貯金」よりも「貯蓄」を重視するのがおすすめです。

特に、お金と老後までの時間に余裕がある方は、貯蓄を意識するようにしましょう。貯蓄を重視するべき理由と、貯蓄を増やすためにできることについて解説します。

貯蓄とは資産運用も含めた自分の金融資産のこと

「貯金」と「貯蓄」はどのように違うのでしょうか?また、よく耳にする「財貨」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか? 広辞苑によると、それぞれ言葉には下記のような違いがあることがわかります。

  • 「貯金」……金銭をためること
  • 「貯蓄」……財貨をためること
  • 「財貨」……金銭を含め価値のあるもの

つまり、「貯金」だとお金だけですが、「貯蓄」はお金だけではなくその他の資産もすべて含んだ、より広い範囲を指す言葉となります。

ちなみに、貯金」「と「預金」も似ていますが、こちらは預け先によって呼び方が違います。

「貯金」は、郵便局(ゆうちょ銀行)や農協(JAバンク)などもともと公的な要素の強い金融機関に預けるとき、「預金」はそれ以外の銀行や信用金庫、信用組合などに預けるときに使う言葉です。
馬場愛梨((ばばえりFP事務所 代表)


資産運用は難しそう!どんな方法があるの?

(画像=naka /stock.adobe.com)

「貯蓄」を増やすためには、単に節約や貯金など目の前のお金だけでなく、将来を見据えた資産運用なども検討するべきです。

資産運用や投資と聞くと、「難しそう」「なんだか怖い……」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。プロのディーラーがいくつものモニター画面とにらめっこしているような場面を思い浮かべる方も多いようです。

でも実際は、自分のわかる範囲で少しずつ試して、たまに結果をチェックするくらいで十分です。

今は、わかりやすく楽しめるように書かれた解説本なども簡単に手に入りますし、投資に回せる資金がたった数百円でもお試し感覚で開始することができるなど、手軽に始められる環境が整っています。

資産運用には、「投資信託」と「株式投資」がある

資産運用には、おもに2つの方法があります。それぞれ紹介していきます。

  • 初心者にやさしい「投資信託」
  • 慣れてきた人向けの「株式投資」
初心者でも取り組みやすい「投資信託」
失敗しにくい投資の基本は「分散投資」です。投資対象や投資先の国、投資する時期などをなるべくバラバラにしておくと、どれかがダメになった時でもダメージが少なくて済みます。

投資信託は、あらゆる投資先からプロが選んだいくつかをセットにして売っているものなので、自分で意識しなくてもきれいに分散させやすいのがメリットです。
慣れてきたら、自分で選ぶ「株式投資」
自分で好きな企業や応援したい企業を、選んで株を買ってみるのもいい勉強になります。投資信託にはない、株主優待というメリットを受けることもできます。

株や投資信託は、「NISA」「iDeCo」といった国の制度を利用すると、税金の負担を減らしてお得に投資することができます。

出典:金融庁『つみたてNISAの概要』
出典:国民年金基金連合会 『iDeCoってなに?』

FXや仮想通貨など、値動きが激しく一喜一憂してしまうようなものは初心者にはおすすめしません。また、不動産は1つの価格が数千万単位になることもあるため、とっつきにくいかもしれませんね。

貯蓄型の保険という方法もありますが、ひと昔前に比べて返戻率が下がっておりお金が増えにくくなっているので、おすすめ度も低くなってしまいます。
馬場愛梨((ばばえりFP事務所 代表)

貯金+資産運用で貯蓄を増やそう

(画像=Narith Thongphasuk38 /stock.adobe.com)

株式や投資信託、不動産や積立型の保険などは「貯金」にはなりませんが、「貯蓄」には含まれます。この現金や預貯金ではない金融資産の部分こそ、資産美人とそうではない人の間で差が付きやすいところです。

「お金を増やす=貯金一択」という意識の方も多いのですが、資産運用も含めて考えることで、より効率よく貯蓄(金融資産)を増やせるチャンスが広がります。

例えば普通預金の金利が0.001%だと、100万円を10年間預けてもたったの100円しか増えませんが、運用して年3%で回せた場合は、30万円以上も増えます。

預ける期間が長ければ長いほど、この差はどんどん大きくなっていきます。特に金銭的にゆとりがあり、老後までの時間も十分ある方は、資産運用との相性がいいといえるでしょう。

将来のことを見据えて積極的に情報を取り入れ、少しずつでも勉強して知識を付けて、実際に挑戦し貯蓄アップを目指してみてはいかがでしょうか。

貯蓄を増やすために普段から意識するべきこと

貯蓄を増やしていくために資産運用にトライしてみることはもちろんですが、普段から心得ておいた方が良いことが2点あります。こちらも確認しておきましょう。

1.「貯金だけ」もリスクと心得る
「投資はリスクがあって怖い」と言って何もしない方もいますが、貯金しかないということも十分リスクです。

せっかく頑張って貯めても、インフレが起きたらお金の価値が下がってしまうかもしれませんし、長生きした場合にお金が足りなくなってしまうかもしれません。
2.お金に興味を持つ
貯金でも資産運用でも節約でも、「難しい」「大変そう」と最初から敬遠してしまうのはとてももったいないことです。

どの分野でも、初心者でも簡単にクリアできる最初のステップが必ずあります。まずは「気になったことは調べるクセをつける」など、ちょっとしたことからでもいいので、一歩踏み出してみることが大切です。

つみたてNISAを始めてみる

つみたてNISAは投資信託で資産運用をする制度であり、少額で投資を始めることができます。つみたてNISAには3つの大きな魅力があります。

つみたてNISAを初心者におすすめする3つの理由

  • 非課税期間は最長20年
  • 少額から始められる
  • 手数料が安い

非課税期間は最長20年

つみたてNISAを利用すると、投資で得た利益が20年間に渡って非課税になります。通常は約20%の税金がかかりますので、これは大きな差です。40歳でスタートすれば60歳まで非課税で投資できますので、老後資金の準備にも活用できるでしょう。

少額から始められる

つみたてNISAは、元手があまりなくても気軽にスタートできます。いくらからスタートできるかは口座を開設する金融機関によりますが、ネット証券などでは「月100円」や「買い物で貯めたポイントが使える」といったところもあります。初心者でも、失敗しても気にならない金額で試すことができるでしょう。

手数料が安い

つみたてNISAで投資できるのは、金融庁の厳しい基準をクリアした投資信託だけです。その基準には「販売手数料が無料」「信託報酬(運用中にかかる手数料)は一定水準以下」など、手数料に関するものも含まれます。

そのため、つみたてNISAでは投資先選びに慣れていない初心者でも、手数料を低く抑えやすいといえます。運用の結果が同じでも、手数料が安ければその分手元に残る金額が増えます。

始めるハードルも低く、リスク分散や資産形成にも効果的なつみたてNISA。この制度を利用するためには、金融機関で専用の口座を開設する必要があります。口座開設におすすめのネット証券は、以下のとおりです。
つみたてNISAにおすすめの証券会社
2021年6月時点
会社名
商品数 174本 177本 170本 151本 157本
売買手数料 無料 無料 無料 無料 無料
最低投資金額 100円 100円 100円 100円 100円
ポイント還元 Tポイント 楽天スーパー
ポイント
資産形成ポイント
松井証券ポイント マネックスポイント 毎月ポイント
積立コース 毎月
毎週
毎日
毎月
毎日
毎月 毎月 毎月
ココがおすすめ 豊富な
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貯蓄と貯金の違いについて Q&A

Q

A
「貯蓄」と「貯金」にはどのような違いがある?
広辞苑によると「貯金」とは金銭をためること、「貯蓄」とは財貨をためること、です。「財貨」は金銭を含め価値のある物という意味。つまり、「貯金」だとお金だけですが、「貯蓄」はお金だけではなくその他の資産もすべて含んだ、より広い範囲を指す言葉です。

Q

A
「貯金」と「預金」にはどのような違いがある?
預け先によって呼び方が違います。「貯金」は郵便局(ゆうちょ銀行)や農協(JAバンク)などもともと公的な要素の強い金融機関に預けるとき、「預金」はそれ以外の銀行や信用金庫、信用組合などに預けるときに使う言葉です。

Q

A
貯蓄を増やすために普段から意識すべきことは?
まずは「貯金だけする」ことをリスクと捉えておきましょう。せっかく頑張って貯めても、インフレが来てお金の価値が下がってしまうかもしれませんし、銀行が経営破綻してお金を没収されてしまうかもしれません。投資も並行しておこないながら、より有効的な資産運用を心がけましょう。

関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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