(本記事は、大江加代氏の著書『図解 知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』、ソシム社、年月日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

※以下、書籍より抜粋

iDeCoのココが魅力1 iDeCoは最強の「じぶん年金」

iDeCo(個人型確定拠出年金)は「じぶん年金」の決定版であり、老後の資産づくりのための最強の制度です。iDeCoのメリットはたくさんありますが、特に次の2つが大きなメリットです。

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iDeCoのメリット

1つ目のメリットは、税金の面でとても優遇されている点です。会社勤めの人でも自営業の人でもiDeCoを利用することで、税金がかなりたくさん戻ってきます。

2つ目は、一部の例外の人を除けば、誰でも加入できる点です。iDeCoは、2016年までは自営業者等や一部の会社勤めの人しか利用できませんでした。しかし法律が改正されたことで、2017年からは、ほぼ誰でも利用できるようになりました。

老後を見据えて制度を上手に活用する

少子高齢化が進んでいる今の時代において、「国の年金」だけで老後の生活資金のすべてをまかなえるわけではありません。また「会社の年金」も昔に比べれば支給額やそもそももらえるかどうかも含め、状況が厳しくなってきていることは事実です。

そのため、誰もが老後に向けた準備をすることがとても大切なのです。

そのような厳しい状況の中、iDeCoという様々な優遇のある制度を誰でも利用できるようになったということはとてもすばらしいことです。逆にいえば、iDeCoを上手に活用できるかが老後の生活を豊かにおくることができるかどうかの分かれ目といっても過言ではありません。

iDeCoのココが魅力2 iDeCoは毎月5千円から始められる!

「お金がない」といった心配は不要

もしかすると「iDeCoに興味があるけれど、まとまったお金がないからなあ…」と思っている人がいるかもしれません。しかし、心配は不要です。そもそもiDeCoでは「まとまったお金を一度につぎ込む」ということができないしくみになっているのです。

最低5千円から千円単位で積み立てOK!

では、どうやってiDeCoを利用するのかというと、原則毎月一定の金額を積み立てていくのです。金額は最低5千円から、千円単位で積み立てることができます。

これは月に1回飲みに行くのを我慢すれば利用できる程度の金額です。

もちろん、少ない金額しか積み立てなければ将来受け取る金額もそれほど多くは期待できませんので、なるべくたくさん積み立てていったほうがよいと思います(積立金額は年に1回変更が可能)。

しかし、あまり無理をする必要もありません。
 
iDeCoは、60歳まで積み立てを続ける長期間の資産形成です(※書籍発売時)

最初から張り切りすぎて金額をたくさん積み立てるよりも、続かずに途中で挫折してしまうことがないようにするほうが重要です。また、毎月の積立額は無制限というわけではなく、上限額が決まっています。

上限額は職業や立場によって異なりますが、少額からでも始められるという点は、iDeCoの大きな魅力だといえます。

iDeCoのココが魅力3 投資信託の手数料がとても安い!

販売を行う金融機関側の事情

誰でも加入できるようになったことで注目を集めるiDeCo(個人型)ですが、2017年9月現在の加入者数は65万人です。

一方、同じ確定拠出年金でも企業型は632万人。つまりiDeCoは企業型の10 分の1程度で、これは少なすぎると感じるかもしれません。

その理由は、iDeCoは金融機関にとってあまり儲からないため、これまで金融機関がほとんど宣伝してこなかったという事情によります(企業型は会社が掛け金を出す退職金制度として拡大してきました)。

「手数料が安い」は大きなメリット

確定拠出年金で取り扱っている金融商品(特に投資信託)は手数料が安く、金融機関の窓口で一般に販売されている商品と比べてもかなり安い水準です。

したがって、金融機関は積極的に案内しませんでした。

利益率の低いものよりは手数料の高い、窓口販売の投資信託に注力するのは営利企業として当然です。企業型も同様にあまり儲かりませんが、企業型 は企業側に導入したいという強いニーズがありました。

そのため、取引先企業からの要請を金融機関は断りづらいという事情があったのです。

一方、金融機関側の事情はさておき、利用者側からすれば手数料が安いのは喜ばしいことです。

特にiDeCoのように運用する期間が長期にわたる場合、手数料は収益に大きく影響するため、利用者にとってとても大きなメリットといえます。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

著作者:大江加代
確定拠出年金アナリスト、オフィス・リベルタス取締役、年金学会会員。野村證券に22年間勤務。株式会社オフィス・リベルタスの取締役を務める。ウェブサイト「iDeCoナビ」をNPO法人確定拠出年金教育協会の理事として立ち上げる

監修:大江英樹
経済コラムニスト。大手証券会社で定年まで勤めた後に独立。シニアライフ、行動経済学、確定拠出年金、資産運用等をテーマとして執筆や講演活動を行っている。厚生労働省社会保障審議会企業年金部会の「確定拠出年金の運用に関する専門委員会」の委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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