アユミさん(仮名、30代)は昨年参加した金融機関主催のマネーセミナーで「iDeCo」(イデコ、個人型確定拠出年金)を知りました。

iDeCoは老後のためにコツコツお金を運用していくことができる制度です。節税につながる点、そして月々5,000円という手頃な金額からスタートできる点に魅了を感じ、アユミさんはすぐに始めることに。これまで投資に今一歩踏み出せなかったアユミさんでしたが、思いがけず投資を始めるキッカケができたことを嬉しく思っていました。

月2万円、バランス型ファンドで運用スタート!

アユミさんは早速、セミナーを主催していたネット証券にiDeCoの口座を開設。まずは月2万円から、国内外の株式や債券に分散して投資をする「バランス型ファンド(投資信託)」で積み立てることに決めました。

申し込みをしてから、運用商品を選び、設定した金額が毎月口座から引き落としになるまでには3ヵ月程かかりました。そのため、実際に運用がスタートした頃には投資熱も若干冷めてきた頃。仕事の繁忙期にも重なって運用状況を確認することをすっかり忘れていました。

そんなある日、職場の後輩から「iDeCoを始めたいので相談に乗ってほしい」と連絡が入りました。

>>SBI証券でiDeCoの資料請求をしてみる

運用成績がマイナス!?不安な日々

気が付けば、iDeCoを始めてから5ヵ月が経過していました。自分自身の運用状況が気になったアユミさんは、早速、iDeCoのwebページで運用状況を確認することにしました。確認した運用状況は次の通りです。

<アユミさんのiDeCoの資産状況>

  • 資産残高:9万7,888円
  • 拠出金累計:10万円
  • 損益:▲2,112円(▲2.1%)

なんと、現在の資産残高は拠出(積立)累計額に対してマイナスとなっています。アユミさんは、投資はリスクがあると理解していましたが、実際にマイナスになると非常にショックでした。自分の老後資金が減っているなんて、後輩にはどんなアドバイスができるのだろう……。

実は運用では利益が出ていた!

「運用商品の選択を間違えたのか?」と非常に悩んだアユミさん。この状況でファイナンシャルプランナー(FP)である筆者に相談にきました。

筆者は資産状況をひとつずつ確認し、以下のことを説明していきました。

  • iDeCoを始める際には、加入時の手数料として一度のみ2,777円(金融機関に関係なく同額)が必要。
  • 加入中は毎月かかる費用がある。アユミさんが利用している金融機関の場合は毎月167円、5ヶ月で835円がかかっていた。(毎月かかる手数料は167円~617円と金融機関により異なります。2018年8月末現在)

これまでに差し引かれた手数料を合計すると3,612円。先述した資産状況は2,112円のマイナスだったので、手数料を差し引くと、運用では1,500円のプラスが出ていることがわかりました。

運用がうまく行けば、全体の損益がプラスになるのも時間の問題

実はこの勘違いはiDeCoをスタートしたばかりの人によくあります。また、2年目以降は加入時の手数料(2,777円)がかからないので、さらにプラスは出やすくなります。

実際、アユミさんは投資信託の運用益により手数料分を少しずつですがカバーしていました。今後、全体の損益がプラスになるのも時間の問題でしょう。アユミさんは、今回の件もよくある勘違い話として後輩に伝えたようです。

iDeCoは私たちの老後の資産づくりに適した、非常に有利な制度となっています。短期的な利益を見るのではなく、何十年先を見据えて気長に続けることが大切です。スタートして1年目でマイナスになったからといって驚かないでくださいね。コツコツ続けていれば、忘れた頃に大きな資産に育っていることでしょう。

実際にiDeCoを始めてみる

圧倒的な商品数と無料ロボアドバイザーの利用で自分に合った商品が選べる
>>SBI証券の口座開設はこちら

運用コストを抑えた商品ラインナップと無料のウェブセミナーが充実
>>楽天証券の口座開設はこちら

簡単な質問に答えるだけで運用方針を提案してくれるナビが便利
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら

創業100年の歴史と実績がある老舗、厳選ラインナップで商品が選びやすい
>>松井証券で投資を始めるにはこちら

お客様満足度94.5%、専用ロボアドバイザーなど充実したサポートが魅力
>>マネックス証券の口座開設はこちら

文・内村しづ子(ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント

【こちらの記事もおすすめ】
iDeCo(個人型確定拠出年金)はSBI証券と楽天証券どちらがおすすめ?FPが解説
iDeCo(個人型確定拠出年金)そろそろ始めたい!金融機関と運用商品ランキング
iDeco(個人型確定拠出年金)におすすめの金融機関は?失敗しない選び方も解説!
iDeCo(個人型確定拠出年金)で節税できる仕組みを解説。年収500万円でいくら得する?
iDeCo博士になろう!iDeCoについて徹底解説

※当サイトの情報の内容に関しては万全を期していますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いかねます。