入学・入社、引っ越し、税金など、春は何かと出費が増える季節です。季候も良くなり気分も高揚して、つい財布の紐が緩くなりがちですが、こんなときこそ節約を意識することが重要です。春にかかる出費をおさらいして、最近の制度や人気サービスを利用した、賢く節約する方法をチェックしてみましょう。

重くのしかかる春の出費

春にはどのようなお金がかかるのか、確認をしておきましょう。

入学や入社準備にかかる新生活費、教育費

新たに入学・入社となる家族がいる場合は、入学費や学生服・スーツ・鞄などの準備費用がかかります。1人暮らしを始めるなら、新居にかかる費用や家具、家電、生活雑貨なども揃えなくてはなりません。
また、新学年を迎える子どもがいる場合は、教材やPTA費などがかかります。新たに塾に通う場合もあるでしょう。

入学祝い、就職祝いなどのご祝儀

親戚や親しい友人の子どもなどが入学・就職を迎える場合、ご祝儀を包むことになります。あらかじめ、何人くらいになりそうか、リスト化しておくとよいでしょう。逆にお祝いをいただいたら、お返しが必要となります。

引っ越し、新居・リフォーム、模様替え

北国では、雪が溶けてから、新居の着工やリフォーム、修繕などを始めることが多く、着手金だけでも大きな出費となります。また、暖かくなってからの引っ越しや、春の模様替えなどを予定することもあるでしょう。賃貸の場合は、家賃更新がこの時期に行われることもあります。

家電の買い換え

春は家電製品の新モデルが出回る時期です。新生活セールなどを行う店も多く、古くなったテレビや冷蔵庫、掃除機などを省エネ家電に買い換えるには、最適なタイミングです。

固定資産税、自動車税、車の保険料など

毎年この時期に必ずかかるのが、固定資産税や自動車税で、そのほか自動車保険などの保険料を春に支払っている場合もあるでしょう。また、国民健康保険料納入通知書や住民税納付書なども6月頃に来ます。

レジャー費

ゴールデンウィークなどもあり、レジャー費がかさむのもこの時期です。遠出をするのであれば、早めの予約と共に、出費計画をたてましょう。

花粉症などの医療費

見落としがちですが、花粉症や季節の変わりめの体調不良、外出の機会が増えることによる事故など、医療費や予期せぬ出費がかさむ場合もあります。

おすすめのいまどき節約術7選

各種制度や話題のサービスなどを利用した、いまどきの賢い節約方法を紹介します。

キャシュレス払いの活用

2019年10月からスタートした、キャッシュレス・ポイント還元事業を上手に活用しましょう。キャッシュレス決済は、よく行くお店や利用するショッピングサイトで使えるものを選ぶとポイントが貯まりやすく、使う額が多くなると、還元率が高くなるものもあります。

また、クレジットカードと、PayPayやLINE Payなどのスマホ決済サービスを連携させておくと、ポイントの2重取り、3重取りが可能となります。キャンペーン時にはさらにおトクになるので、こまめにチェックするようにしましょう。

サブスクの利用

2019年の流行語大賞にノミネートされたサブスクこと「サブスクリプションサービス」は、今後もさらに需要が拡大すると見込まれています。日常生活に、上手にサブスクを取り込むことで、節約にもつながります。

例えば、自動車は、カーシェアリングすることで、税金や維持費などの固定費を削減できます。洋服やブランドバッグなどもレンタルサービスを使えば、わずかな月額料金で、おしゃれを楽しむことができます。

音楽では、アップルミュージックやAmazonミュージックなどの音楽配信サービスを利用することで、お得に音楽を聴くことができます。また、家具や家電をレンタルできるサービスもあり、いつでも最新のものを利用できるメリットがあります。

今や物を所有する時代ではなくシェアする時代。ライフスタイルによっては、サブスクの利用で大きな節約も可能となります。一度検討してみましょう。

まとめ買いとまとめ払い

賢く節約するには、「まとめ買い」と「まとめ払い」を意識しましょう。
トイレットペーパーや洗剤などの生活必需品、家族が飲む飲料水などは、まとめて購入すると安くなります。最近は、各種ECサイトで、まとめ買い割引や送料無料サービス、タイムセールなどが頻繁に行われているので、有効に活用しましょう。

支払いもまとめて払うと安くなるものが多くなっています。生命保険料や損害保険料の年払い割引や、国民年金の前納割引制度などは積極的に利用しましょう。NHKの受信料も、年払いすると約2,000円お得になります。ガソリン代も、各社が発行するプリペイドカードを利用すると、現金払いよりも安くなります。また、キャッシュレスで支払うことができれば、ポイントの還元にもなります。

携帯料金、保険、有料サービスの見直し

家族に必要な携帯電話の料金や、保険、塾やレッスン代の有料サービスも、各社で多様なプランを提供しているので、もう一度見直してみましょう。

携帯電話は、通話よりも通信が多いならば、格安SIMのデータ通信SIMに切り替えると、月々の料金を大幅に削減できます。家族でグループ利用している場合でも、各社であらゆるプランやサービスを提供しているので、見直すことで安くなる場合もあります。面倒がらずにこまめにチェックしましょう。

保険商品は、ネット保険を中心に、掛け金が低額の商品がたくさん出回っています。保険は一度入るとそのままにしている人も多いですが、いまどきの保険は、必要な物だけをセレクトする時代です。本当に必要なのか、ほかに安い商品は無いのか、確認してみましょう。塾やレッスンも、オンライン対応できるものであれば、リアルよりも安いサービスがたくさんあります。

水光熱費の見直し

固定費としてかかる水光熱費も、工夫次第で節約につながります。電気代は、古い家電を省エネ家電に替える、照明器具をLED照明に替えるだけでも電気代の節約になります。洗濯乾燥機などはタイマーで電気代が安い時間に使う、暖房便座のふたを閉めておくなどでも電気代を節約できます。

ガス代は、お風呂の追い炊き回数を1回減らす、シャワーを1分減らすだけでも変わります。また、野菜の下ゆでを電子レンジで行う、強火ではなく中火で調理するなども心がけてみましょう。食器を洗う際に食器洗浄機を使うと、ガス代のほかに水道代の節約にもなります。最近はガスの自由化により、電気代とセットで安くなるプランも多数出回っています。契約自体を見直してみることもお勧めします。

賢く食費を節約する

日本の二人以上世帯の1ヵ月あたりのエンゲル係数は、2018年で27.6%(79,348円)と、全消費支出(287,315円)の1/4以上を占めています。この食費を少しだけ抑えて25%にすると月に7,519円、2割に抑えると、実に1万4,366円もの節約になります。このように、食費は少し意識することで節約につながります。

例えば、スーパーやコンビニのPB商品は、製造元がナショナルブランドで同等の品質ながら、低価格で販売されています。レシピも多く出回っているので、作り置きをすると、食事づくりの時短にもなります。また、弁当男子のようなお弁当持参は、好感度アップにもなりそうです。支出に対する食費の割合を決めて超えないように意識することで、大きな節約につながるでしょう。

会員特典、株主優待などの有効活用

ほかにも、会員にはなっているものの割引以外の権利を活用していないもの、株主なのに優待や配当を使い切れていないものなどありませんか。見逃していた特典に、大きなメリットとなるものがあるかもしれません。