新型コロナウイルス感染症が、世界中で猛威を振るっています。感染の広がりを抑え込むために、さまざまな感染症対策が講じられていますね。事業の休止などを余儀なくされ、休業されている方も多くいらっしゃいます。

緊急な事柄で支出が増える、収入が減少する、などで一時的に生活が困難な状況になった場合に、一定の要件を満たす世帯は、無利子で少額の貸し付けを受けられる「緊急小口資金」を利用することができます。公的機関で借りられる、緊急小口資金について確認しておきましょう。

緊急小口資金ってどんな制度?

緊急小口資金は、都道府県社会福祉協議会が実施している社会福祉の貸付制度です。災害などが発生すると、特例貸付が実施されることもあります。所得の少ない世帯が、緊急的で一時的なやむを得ない理由で、生活を維持するお金が必要なときに、必要最小限の貸し付けを受けられます。

資金の貸し付けを受けても、順調に返済することが難しくなると、世帯にとっての大きな負担となります。そのため、貸し付けを受けることで生活の見通しが立ち、その後の返済も可能な世帯が対象になっています。

借り入れを希望する方には、貸し付けの相談から返済が完了するまでの間、社会福祉協議会の職員による相談・支援が行われます。また、生活が安定して自立が目指せるように、原則として自立相談支援事業の利用が要件となり、自立相談支援機関による相談や就労支援が行われます。

資金の貸し付け対象は“世帯”

緊急小口資金は、個人ではなく“世帯”を支援する制度です。利用する際には、世帯の状況を正しく伝えることが大切になります。緊急小口資金は、現在4種類ある社会福祉資金貸付制度のうちの1つで、一世帯は、住居・生計を同一にしている方々です。さらに、資金を借りる方の要件も満たす必要があります。

対象となる世帯

  • 収入が一定基準内の低所得世帯で、定期的な収入によって生活している世帯
    2019年の収入基準は、1人暮らしの世帯で平均月額が19万1,000円、2人暮らしの世帯では27万2,000円などと定められています。
  • 貸し付けは、急いで必要な資金を一時的な生活費の困窮にあてるための利用で、その後は貸し付けを受ける本人の収入で生活ができる世帯
  • 3ヵ月後より始まる返済が、可能であると見通しの立つ世帯
  • 初回給与が支給されるまでの生活費が必要な世帯であるなど、貸し付け対象理由に該当する世帯

対象とならない世帯

生活保護世帯、常に生活全般に困窮している世帯などの条件に該当する世帯は利用できません。