世の中には、資力や社会的地位があり、限られたステータスを持つ人だけが加入を許されるコミュニティが存在する。以前は、名門ゴルフ倶楽部がその役割を果たしていたが、現代は都心にありながら別次元の空間を提供し、ひっそりと富裕層の社交場として活用されている場所が存在している。今回はそんな富裕層だけが集う会員制コミュニティの世界を少しだけ覗いてみよう。

東京ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート

リゾートトラスト女子ゴルフトーナメントのスポンサーとして、目にされた方も多いのではないだろうか。江東区有明のベイエリアにたたずむ会員制高級ホテルだ。中に入れるのは会員メンバーとそのゲストのみだが、すでに会員権は完売している。都会にありながら、ゲートをくぐったときから別次元の世界が広がる。
 

(写真=東京ベイコート倶楽部)

ホテル&スパリゾートと銘打っている通り、中には、東京タワーを眼下に見下ろす空中スパがあり、女性には必須のエステが併設されている。フレンチ、イタリアン、中華、和食、そしてバーなど豪華なインテリアに囲まれて食事ができるなど、レストラン関係も充実している。

アークヒルズクラブ、六本木ヒルズクラブ

六本木ヒルズ37階には森ビルが運営しているアークヒルズクラブがある。設立は1998年9月。洗練された都市空間の中で、毎月思考を凝らしたイベントを開催し、単にその場所に集うだけでなく、新しい交流の時を提供している。内装は、20世紀を代表する建築家である、ル・コルビジェの作品が多数配置され、さながらコルビジェ博物館の様相を呈している。
 

(写真=アークヒルズクラブ)

会員制高級倶楽部の老舗らしく、メンバーには政財界、高級官僚、デザイナーなどの著名人が名を連ね、会員になるためには、理事1名と現役会員1名以上の推薦が必要だ。従って、お金だけではなく、倶楽部のステータスにふさわしい品格が求められる。

六本木ヒルズクラブは、アークヒルズクラブより、少し若い富裕層向けに登場したクラブだ。IT企業の若手経営者やクリエーターなど、約3000名の会員数で、やはり若手会員向けにイベントを開催している。
 

(写真=六本木ヒルズクラブ)

リビエラスポーツクラブ

港区南青山にある完全会員制スポーツクラブ。個人会員の場合、入会金100万円、また年会費がフォーマル会員で36万円、プレミアム会員は60万円(全て税別)と庶民感覚からはかけ離れている。発祥は池袋にあった白雲閣を営業していた会社で、現在はスポーツクラブや、逗子マリーナ、葉山マリーナ、シーボニアマリーナなど、三浦半島の主だったヨットハーバーも運営する。
 

(写真=リビエラスポーツクラブ)

スポーツクラブは、イタリア製の機器を備えたトレーニングエリア、ヨガ、ピラティス、ホットヨガなどのスタジオ、ゴルフレンジ、プールなど充実の設備を整えている。さらに都内では珍しいスキューバダイビング専用プールもあり、ライセンス取得も可能だ。

一般社団法人東京倶楽部

1884年(明治18年)明治天皇が井上馨らに命じて作らせた倶楽部。発足当初の会員には旧華族や政財界の重鎮が名を連ねた。当時は欧米列強にいかに追いつくかを最重要国家戦略としており、鹿鳴館や東京倶楽部を作り、当時の外交官を招いて日本の先進性をアピールしていた。
 

(写真=一般社団法人東京倶楽部)

現在も国際親善を会の第一の目的とし、名誉総裁に常陸宮殿下を奉じるなど、皇族色の強い倶楽部となっている。現在の理事長には元NHKキャスターの高島肇久氏、副理事長にJOC理事長の竹田恆和氏を任命されている。設立当初は鹿鳴館と同居していたが、現在は港区六本木一丁目にある。

東京アメリカンクラブ

港区麻布台にある東京アメリカンクラブは、戦前の1928年(昭和3年)に在日外国人やその家族の社交クラブとして発足した。その後、東京に数多くの外資系企業が進出し、その外国人駐在員たちの社交組織として活動している。
 

(写真=東京アメリカンクラブ)

施設は、レストラン、バー、ラウンジ、ボーリング、フィットネスジム、スタジオなどが完備されている。最近は、外資系企業のエグゼクティブのために法人契約し、倶楽部の運営費を拠出したり、日本人のスポーツ選手や芸能人も会員になったりしているようだ。
 
文・中村伸一(マネーデザイン代表取締役社長)/ZUU online

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