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2019/06/08

熱心にアフターフォローしてくれる銀行員が「いい銀行員」とは限らない理由

(写真=megaflopp/Shutterstock.com)
(写真=megaflopp/Shutterstock.com)
「情けは人のためならず」ということわざがある。人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになるという意味だ。金融商品のアフターフォローは、まさにこれと同じである。

アフターフォローは、あたかもお客様のためのようであるが、銀行員の本音はそうではない。巡り巡って結局は自分のためになる。熱心にアフターフォローしてくれる銀行員が「いい銀行員」とは限らないのだ。

「アフターフォロー強化月間」とは?

銀行という組織は「現場を分かっていない」連中が物事を決めている。

私の銀行だけではない。多くの銀行では「アフターフォロー月間」というくだらない制度がある。投資信託をお持ちのお客様のうち、一定以上の損失を抱えておられるお客様や、高齢のお客様に対し一斉にアフターフォローを行うというものだ。ご丁寧にマニュアルまで整備されており、新入行員でもマニュアル通りに話せば、一応の形にはなる。

「お客様がお持ちの投資信託の現状報告と、今後の運用方針についてお話をおうかがいできればと思い電話させて頂きました」

上記のような決まり文句で始まる。さまざまなシチュエーションを想定した問答集もあるのだが、これが笑わせてくれる。どのような場合であっても、お客様はアフターフォローに感謝し、ハッピーエンドで終わるというシナリオだ。

恐らく、現場に出たこともない連中が考えたのだろう。「わざわざアフターフォローしてくれてありがとう。これからもよろしく頼むよ」そんなハッピーエンドで終了させようとすること自体、お客様を馬鹿にしている。

不満を感じておられるお客様も、適当に言いくるめて黙らせてしまえと言わんばかりのシナリオ設定だ。

「納得頂けない」という報告をしてはならない

銀行員は「アフターフォローの結果」を本部に報告することが義務付けられている。

具体的には、(1) 現状に満足頂いており継続保有の方針、(2) 解約の方針、(3) 納得頂けない……といった具合にアフターフォローの結果を報告しなければならない。

問題は(3)「納得頂けない」という報告をしてはならない点だ。納得頂けるまで「何度も繰り返しお客様とお話しさせて頂くよう」本部から厳しく指導される。考えてみて欲しい。全てのお客様が投資信託の運用状況に満足することがあり得るだろうか。

投資がうまくいかず、多額の含み損を抱えるお客様がすべて満足されているなど、どう考えてもあり得ない話だ。

まるで戦時中の大本営発表のような話だが、これが現実なのだから笑い話にもならない。

アフターフォローには魂胆がある

銀行側には、明らかに魂胆がある。

「当行では投資信託を買って頂いたお客様に対し定期的にアフターフォローを実施しています。決して売りっぱなしではありません」という監督官庁向けのアピールだ。アフターフォローとしては最低であり、タチが悪いことは言うまでもない。誰のためのアフターフォローなのかと問いただしたくなる。

強制されたわけではなく、自発的にアフターフォローを行う銀行員もいる。だが、はっきり言おう。「魂胆のないアフターフォローなどあり得ない」と。

銀行員にはノルマがある。金融商品を販売し収益を稼がなくてはならない。1円の収益も生み出さない雑談をしている余裕などない。

「新たに投資信託を購入頂きたい」「利益確定して新たな投資信託に乗り替えて欲しい」そんな魂胆があるからこそアフターフォローを行うのだ。投資信託を販売している本人が言っているのだから、間違いはない。
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