人口減少時代に入った日本。移民を受け入れる案もあるものの、欧州での対立を見るにつけ、反対の声が大きくなると予想される。世論の反響、反発を考慮すると、ロボットの活用への期待が高まる。経済成長の維持は次世代ロボットの普及で実現できると専門家は豪語するが、本当に可能なのだろうか。

ロボットを使う人間が他の人の仕事を奪う

人工知能(AI)が多くの人々の仕事を奪うのではないか−−。

そんな懸念が広まっている。今後間違いなく働く環境は急速に変わる。既にコンピューターが単純労働やルーチン(規則的な活動)の仕事を代替しているが、それがAI発達で知的、生産的な仕事にまで及ぶと考えられている。

どのような仕事がAIに代替され、奪われてしまうのか。それを考えることで、今後必要とされる人間の能力も見えてくる。

例えば、書類を整理したり過去の内容資料を探したりする作業は、AIに任せたほうが効率的だろう。一方で、顧客や取引先との交渉をAIに任せるのは難しい。代替される分野と、されない分野に分けて、人間と共存していけば一番よい。

AIは、決められた範囲で過去のデータを選び出すことは得意だ。この点を踏まえて、付加価値をもたらす能力が人間には求められる。

よくAIが東大の試験に合格するのかという命題について語られるが、答えの明確な科目においてAIが試験をクリアーするのはたやすいだろう。

しかし、いくらAIが見事な解答を導き出せたとしても、人が人に伝える情報は、AIのそれよりはるかに豊かであり、AIにはできないこともある。