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2018/12/12

スーパーオオゼキはなぜ強い?「正社員比率7割」の狙いとは

(写真=beeboys/Shutterstock.com)
(写真=beeboys/Shutterstock.com)
平日の夕方、スーパーマーケット「オオゼキ」ときわ台店(東京都板橋区)では、若い女性店員の元気なアナウンスが響いていた。レジや品出しを担当する店員は総じて若い。そんな活気あふれるお店に客も続々と吸い込まれていく。オオゼキの強みの源泉は顧客重視の店作りとそれを支える約7割の正社員比率の高さにある。同社の強みに迫ろう。

強みは利益率が高い生鮮商品の品ぞろえ

オオゼキは小田急線、京王線、東急線沿線を中心に東京都内の世田谷区、品川区、大田区での店舗展開を集中的に進めており、東京都北部への出店はこれまで手薄だった。

一方、「『オオゼキを自分の冷蔵庫代わりに使っていただく』ための距離感はとても大事と考えています。徒歩や自転車で毎日気軽に来れるような電車やバス便の良い駅前立地に多くのお店を展開しています」とも明言していることから、都内で交通利便性の高い駅前の好立地の場所があれば、出店実績のなかった地域でも出店の可能性があるとも読み取れる。

これまでオオゼキの店舗が世田谷区、品川区、大田区に集中していた背景としては、ドミナント戦略の採用がある。オオゼキのホームページによると、「市場で仕入れた商品をその日の少しでも早い時間に店頭に並べられて、かつお目当ての商品の欠品でお客様ががっかりすることがないよう、近隣店舗間で商品やり取りがしやすいよう」にするためだと言う。

オオゼキは生鮮商品の品ぞろえに強みを有するが、各店舗の従業員が市場へ直接買い付けを行うことで品揃えの強みを実現する。加工食品では大量一括仕入れを行わないと一定以上の利益を確保できないのに対して、生鮮食品は粗利益率が高く、一括仕入れに必要な大規模な資金力が不要となる。その代り、正社員を多く採用し、商品仕入に関する権限を委ねることで、顧客ニーズに適合した商品を数多く取りそろえる方針を採用している。

同業と比べて目立つ正社員比率の高さ

このように、オオゼキの顧客ニーズを重視する店作りの方針は、正社員を多く採用することにより担保しようとしていることがうかがえる。同社が「リクナビ2019」に掲載した文章を抜粋してご紹介しよう。

「オオゼキは社員に責任のある業務を任せる、現場の社員に仕入・販売を任せるといった社員第一主義も大切にしています。これらの実践によりお客様とのコミュニケーションの中から全ての新しい事が生まれるという独自の店舗経営理念の基に根づいた方法です」

一方、他社ではパート・アルバイトの比率の方が高い。たとえば、イトーヨーカドーは従業員数3万2579人のうち正社員は7807人で正社員割合は24%(2017年2月末時点)、西友は従業員数2万3576人のうち正社員は4894人で21%(2018年1月1日現在)といった具合だ。同社HPによれば業界水準は約25%程度。オオゼキの正社員比率の高さが際立っている。
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