「クリスティーズ・オークション」は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、パブロ・ピカソ、ゴッホといった著名芸術家の作品から、ナポレオン・ボナパルト、ダイアナ妃、マリリン・モンローなど歴史に名を残す著名人に関連した品物を取りあつかう、世界最大のオークションハウスだ。

伝統的な作品だけではなく、現代的なものやちょっと意外に思うものも数多く落札されている。「敷居が高い」というイメージのオークションハウスでどんなものが売られているのか、過去の出展作品などをみてみよう。

クリスティーズの歴史

1776年、美術商のジェームズ・クリスティー氏によってロンドンで設立されたクリスティーズは、何世紀にもわたり最も大規模で世界中から賞賛を受けるオークションを実施してきた。美術品、ジュエリー、写真、ワインを含む80種類以上のカテゴリーで、毎年約350件のオークションを開催している。価格帯は200ドル~1億ドルと様々。

ロンドンやニューヨーク、パリ、ジュネーブ、ミラノ、アムステルダム、ドバイ、チューリッヒ、香港、上海といった、世界各地に10のセールスルーム(競売場)があり、世界46カ国・地域で事業を展開している。

近年は北京、ムンバイ、ドバイでの販売および展示を成功させたほか、ロシア、中国、インド、アラブ首長国連邦などの成長市場においてイニシアチブを発揮し、市場をリードしている(christies.comより)。

マリー・アントワネットのコレクションからテディベアまで

実際にどのような品物が競売にかけられているのだろう?古くはレンブラント・ファン・レインの「スザンナと長老たち」を含む、18世紀の英国を代表する画家ジョシュア・レノルズがアトリエに保管していた作品、デュ・バリー夫人(フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネット)が収集していた美術品などだ。

1827年、英国ロマン主義の画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーがクリスティーズのオークションで、自分の作品のひとつ「Sun rising through Vapour」をたった514ポンドで購入したいう興味深い歴史もある。

1972年には一面に龍が描かれた中国の陶磁器に、1億5804万香港ドルという当時アジアの美術品としては最高の値がついた。

1987年、ゴッホの「The Sunflower(ひまわり)」が2400万ドル以上で落札され、オークション史上最高額を更新。その3年後には「Portrait of Dr.Gachet(医師ガシェの肖像)」が8250万ドルで落札され、さらに記録を更新した。

1978年にはココ・シャネルの手掛けた洋服(価格は不明)、1993年には青いテディベア 「エリオット」に2400万ポンド以上、1995年にはゴールドのタイプライターに1003万ドルの値がつくなど、典型的な美術品以外の品物も高額で取引きされている。