世界の旅行者が選ぶ「ベスト・エアライン」の2018年版が発表され、全日本空輸(ANA)が3位を維持した。日本航空(JAL)は2017年から3つ順位を上げ、13位となった。

トップ10の顔ぶれは2017年版と大きく変わらないものの、シンガポール航空がカタール航空から首位を奪うなど、順位に細かな変動が見られる。またトップ10のうち7社はアジアの航空会社という点にも注目したい。

ランキングは英国の航空サービスリサーチ会社KYTRAXが、2017年8月~2018年5月にわたり、2000万人以上の旅行者から回収したデータを集計したものだ 。

ベスト・エアライン・トップ10

10位(2017年順位11位)  タイ国際航空(タイ)
9位(10位) ガルーダ・インドネシア航空(インドネシア)
8位(9位) 海南航空(中国)
7位(7位) ルフトハンザドイツ航空(ドイツ)
6位(5位) キャセイパシフィック航空(香港)
5位(6位) エバー航空(中華民国)
4位(4位) エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)
3位(3位) 全日本空輸(日本)
2位(1位) カタール航空(カタール)
1位(2位) シンガポール航空(シンガポール)

全日本空輸と日本航空の2社がトップ20入り

トップ3入りを維持した全日本空輸は、キャビンの清潔度を評価する「World's Best Airline Cabin Cleanliness」で 世界1位、スタッフの質の良さを評価する「Best Airline Staff in Asia」でアジア1位、キャビンクルーの質の良さを評価する「Best Cabin Crew in Japan」で日本1位を獲得している。

13位にランクインした日本航空は 、エコノミークラスの座席の心地良さを評価する「Best Economy Class Seat」に選ばれたほか、向上が見られた航空会社を評価する「World's Most Improved Airline」で5位になった。

4度目の首位に輝いたシンガポール航空

シンガポール航空が首位を獲得するのは2008年以来4回目。これまで首位争いはカタール航空とエミレーツ航空の間で繰り広げられ、カタール航空が過去3年にわたり勝利をおさめていた。

シンガポール航空はアジアを中心に、世界6大陸にグローバル・ネットワークを広げており、「シンガポールガール」と呼ばれるスチュワーデスの、高水準なサービスにも定評がある。

ゴー・チュン・ポンCEO は「首位に選ばれたことを光栄に思う」とコメント。名誉ある賞を、「顧客に最高の旅行体験を提供することに専念する、SIAグループの従業員2.6万人に捧げる」と述べた。

米国の航空会社は軒並みランクダウン、欧州はスイスがトップ10入り秒読み?

世界のトップ10入りを逃した北米の航空会社は、総合30位のエア・カナダが、2年連続で北米の首位になった。総合の順位は2017年から1つランクダウンだ。

米国の格付けトップはデルタ航空とアラスカ航空 で、それぞれ総合37位と38位。こちらも前年から順位を5つと2つ、落としている。他にトップ50入りを果たしたのは格安航空会社のジェットブルー航空で、前年から3ランクダウンの42位だった。

欧州はルフトハンザドイツ航空を筆頭に、スイス インターナショナル・ エアラインズが2つ順位を上げ12位、オーストリア航空が1つ順位を上げ16位、KLMオランダ航空が3つ順位を上げ22位など評価を高めた一方、エールフランスは7つ順位を下げ25位、フィンエアーは2つ順位を下げ27位と残念な結果となった。

低コストNo.1はマレーシアのエアアジア、エンターテイメントの充実度はエミレーツ航空

総合ランキングの他にも様々なランキングがある。

コストの低さを評価する「World's Best Low-Cost Airline」では、マレーシアのエアアジアとエアアジア X、ノルウェー・エアシャトル、英国のイージージェット、オーストラリアのジェットスター航空といった格安航空会社がトップ5に選ばれた。

「World's Best Cabin Crew」のトップ5はガルーダ・インドネシア航空、シンガポール航空、全日本空輸、タイ国際航空、エバー航空。国際評価および他のカテゴリーのパフォーマンスで最も向上が見られた航空会社を選ぶ「World's Most Improved Airline」 は、中国南方航空、フィリピン航空、フィジー・エアウェイズ、アイルランドのライアンエアー、日本航空がトップ5に輝いた。

機内でのエンターテイメントが最も充実した「Worlds Best Inflight Entertainment」 は、エミレーツ航空、シンガポール航空、カタール航空、オーストラリアのカンタス航空、トルコのターキッシュ エアラインズ。全日本空輸と日本航空はぞれぞれ20位と17位なので、エンターテイメント性にもう少し工夫が欲しいといったところだろうか。

スタッフのサービスの良さはアフリカの航空会社が圧勝

空港および機内におけるスタッフのサービス精神を評価する「The Best Airline Staff Service」は、南アフリカ航空、エチオピア航空、ケニア航空、モーリシャス航空、マンゴー航空とアフリカ圏の航空会社がトップ5を独占した。

空港でのサービスを評価する「World's Best Airport Services」は、エバー航空、全日本空輸、キャセイパシフィック航空、タイ国際航空、シンガポール航空。

「World's Best Airline Cabin Cleanliness は全日本空輸が1位、日本航空が5位。エバー航空、韓国のアシアナ航空、シンガポール航空もトップ5に入った。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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