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2019/06/05

不動産オーナーが考えたい「リフォーム」の費用対効果

(写真=Thinkstock/Getty Images)
(写真=Thinkstock/Getty Images)
不動産投資において入居者の退去後の「空室」は大敵。当然、次の入居者を募集することになるが、その前に補修・修繕が必要になる。これが悩ましい。大掛かりなリフォームをすると経費がかさむ、かといってケチると入居付けに苦労することになる。どんなバランスが正しいのだろうか、考えてみよう。

「補修・修繕」3つのレベル

まず、補修・修繕といっても以下の3つのレベルがある。どこを目指すかが最初の戦略の分かれ目だ。ここでは建物の外観変更を伴うような大規模修繕は対象外としている。

1)原状回復
2)リフォーム
3)リノベーション

原状回復は入居前の状態に戻すことが目的。クリーニングを中心として、壁紙を張り替えるなど表面的なところを直して入居前の状態に戻す。リフォームとの境界はやや曖昧だが、経年劣化はかまわないとする部分が違う。

対してリフォームは、「綺麗な状態に戻す」が趣旨。いうならば新築のような状態に戻すことが目的。今どきの新築のトレンドを取り入れるのがミソで、床をフローリング風のフロアタイルにする、アクセントクロスを入れるなども含まれる。

リノベーションも新築に近い状態を作り出すことを目指すが、違うのは特定のコンセプトに基づき部屋を作り替え、バリューアップを目的とするところ。アウトドア派のためのバイクスペース付きやメルヘン女子のためのシンデレラの部屋などだ。

修繕の費用対効果

修繕の3レベルのうち、多くは2)リフォームを目指すことになるが、どの程度コストをかけることが適切だろうか?

標準的には家賃の2~3ヵ月分がまずは目安と言われている。家賃が6万円のワンルームなら15万円前後が一つの目安だろう。この程度なら文句は言えない。入居期間が長かったなど、どうしても老朽化が目立つ場合はもう少し費用投下せざるを得ないが、その場合は6ヵ月分を次の目安と心得たい。

賃貸業の年間「経費率目安」は15~20%

購入後初の退去時に、部屋の汚さに驚いてしまい、家賃の約7ヵ月分以上をリフォーム費用に充てた事例がある。入居付けには成功したが、これでは回収に時間がかかる。これは、やや過剰な例だろう。

平均入居期間を5年間(60ヵ月)とすると、3ヵ月分のリフォーム代なら「3か月÷60か月×100=5%」となり、5%相当の経費率であることが分かる。7ヵ月分なら約11.7%と1割を越してしまうのだ。

賃貸業の標準的ビジネスモデルでは年間の経費率の目標が15~20%である。そのうちどこまで修繕費を見込むのか、こういった数字を理解し、経営者意識を持つようにしたい。

一方、リノベーションを目指す場合は、大きく付加価値つけて物件を魅力的にし、家賃の値上げや入居率の向上や売却を狙う作戦となる。コンセプトを明確にし、デザイン性を追求するのだ。

古くなったファミリー物件で、家賃が8万円だったとしよう。入居付けで毎回苦労する位なら、大掛かりなリノベーションで家賃を10万円にアップし、アップ分の全て、120万円(平均入居期間60ヵ月×2万)をリノベ費用に充てても、稼働率が上がる分だけ効果的という判断もできる。それに、家賃アップは出口を考えたときに高値で売却できる要因にもなる。
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