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2019/04/09

証券会社も「お客様ファースト」。米国投資家に学ぶべきコト

(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)
(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)
米国ネット証券大手のチャールズ・シュワブは「購入時に手数料のある投資信託」の販売を打ち切った。取引頻度が増加することで、顧客の支払う手数料増加がアドバイザーの利益になる構造を好ましく思わない「顧客志向」の考えが根底にありそうだ。最近の米国での運用スタイルを紹介しよう。

米国:投資家と利益相反が少ないチャネルが席捲

「チャールズ・シュワブモデル」…取引手数料中心の従来ビジネスモデルから、アドバイスを対価とするチャネルの取り込みに移行した、同社の成長には目を見張るものがある。顧客の預かり資産は2014年には2兆4000億ドルとなり、メリルリンチ・ウエルス・マネジメントを上回った。

米国では、取引時の販売手数料を目的としているアドバイザーは敬遠される傾向にある。カギはETFを中心とした低コストの運用商品の活用だ。ETFの「販売時の手数料がゼロ」(証券の売買手数料は必要)、「信託報酬が極めて低い」(0.05%といった0.1%を切る水準のものまである)という低コストのメリットは投資家の運用コストの引き下げに寄与している。

過去には高いコストの投資信託を勧めるアドバイザーが多く存在した。しかし「賢い投資家」は、アドバイザーによる投資商品の提案が自分たち(顧客)のためでなく、アドバイザーへの収入にリンクしている事実に気づいた。アドバイザーは、「取引手数料中心」ではなく、「アドバイスを対価」とする方法を選択し、顧客の資産形成に役立つことで「顧客との利益相反が少なくなる」事実に気づかされた。

日本:金融知識不足で運用コスト鈍感

「投資している投資信託の運用コストはいくらですか?」

日本の投資家は自身の運用コストに鈍感だ。上記のように質問した場合、「販売時の手数料」、「年間の信託報酬」、「解約時のコスト」を正しく認識していることはレアケースで、「担当者まかせ」になっていることが極めて多い。

投資している商品の選択理由について質問しても、ほぼ明確な理由はなく、「仲の良い金融機関の営業員に勧められたから」「銀行の商品なら安心だと思った」といった曖昧な理由だ。それだから、購入時に3.24%、信託報酬約1.8%の商品を知らずのうちに買わされている。初年度の投資コストが5%を超えている事実を認識していない投資家が多い。

「高い信託報酬=高リターン」なのか?

市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ運用」型の投信の過去の成績は、「おおむね、1年で約6割、10年で約7割、20年で約8割が市場平均に負けている」と敗者のゲームの著者で世界的に著名な投資コンサルタントのチャールズ・エリス氏は述べていた。投資家のリターン=「運用成果-投資コスト」と大まかに考えれば、高い信託報酬を払えば、投資家のリターンは減少する。投資コストに見合った高いパフォーマンスは本当に期待できるかどうか、判断が必要な所だ。
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