伊藤園 <2593> が2019年4月期に最高益更新を見込んでいる。そして同予想決算の開示後に株価が急騰している。

2019年2月に同社の主力製品「お~いお茶」は誕生30周年を迎える中で、節目の年度となる2019年4月期に、伊藤園の株価は2000年の高値5573円を更新するのか注目される。

伊藤園は2019年4月期に過去最高益の更新を見込む

伊藤園 <2593> の業績が堅調だ。前期の2018年4月期は売上高4948億円(前年同期比+4%増)、営業利益220億円(同1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益126億円(同▲8%減)。約220億円という同社の営業利益のピーク状態を維持している。

しかしながら同社にとって約220億円という利益水準は、過去から超えられない壁となり立ちはだかっていた。

同社の過去最高益は2007年4月期の営業利益228億円だ。その後、同期の壁を超えることなく、10年以上の時間が経過している。2018年4月期も利益水準はほぼ前期並みであり、利益の伸びはピークアウトしている。

そんな中、同社は2019年4月期の計画について、売上高5078億円(前年同期比+3%増)、営業利益230億円(同+4%増)という計画を開示した。本計画を達成すれば、同社は2007年4月期以来12期ぶりの最高益更新を果たす。

同社の主力商品「お~いお茶」は、2019年2月に発売30周年を迎える。伊藤園は「お~いお茶」の30週年を迎える当期に、過去最高益更新という最高の組み合わせを実現する可能性がある。

バランスよい成長を見せる伊藤園

当期に過去最高益更新を見込む伊藤園だか、足元はバランスよい成長が継続中だ。

同社の調べでは緑茶飲料市場の着実な成長の中で、同社は33~34%の市場シェアを維持し、また右肩上がりのむぎ茶飲料市場においては、シェア47%を確保している。

更に訪日外国人観光客が急増の中、外国人の間に抹茶ブームが生じており、海外向けの抹茶販売が3年で3倍に伸びるなど、同社も訪日外国人観光客の増加の恩恵を間接的に受けている形だ。

伊藤園の業績は決して派手さを伴うものではない、しかしながら各事業ともに堅調に推移しており、バランスよい成長を見せている。当期最高益更新を見込む同社であるが、足元の状況からは事業環境の急変などがなければ計画達成の可能性は高いと考えられる。