今すぐにもらえる100万円と5年後にもらえる105万円、皆さんならどちらを選びますか?

お金の価値を考えるときに欠かせない視点が「時間価値」です。例えば、今すぐに100万円をもらい効率的に資産形成をすれば、5年後に105万円以上に増える可能性があります。専門用語的に言えば、「時間を味方につけ、複利効果を生かす」ことができます。ここでは、資産形成をする際に重要な考え方である「時間価値」と「複利効果」について解説します。

一般人と富裕層は何が違う?お金と時間の価値を見直そう

皆さんにとって、「時間」と「お金」はどちらのほうが大切ですか? 多くの富裕層は「時間」と答えます。なぜなら、富裕層自身が生み出す時間あたりの価値(お金)は非常に大きく、時間を生み出すことができれば新しい価値を生み出すことができるからです。

だからこそお金以上に「時間」を大切にしており、「お金で時間を買う」「本当に自分がやるべきかを考えて、(お金を払ってでも)他の人にお願いできないかを考える」「時間あたりの生産性を高めるためにコンディションを整える」といったことを常に考えています。

「このお金を使うことで、将来的にどのくらいの価値になるか?」を考える

お金と時間の関係性を理解するうえで、もう1つ知っておきたい考え方に「減価償却」があります。

お金で資産を購入した場合、資産価値は時間経過とともに徐々に下がっていきます。このように経年劣化で価値が下がることを、会計の世界では減価償却と呼びます。

100万円で購入した資産を10年後に売ったとき、10万円しか価値がつかなかったとすれば、時間とともに90万円分の価値が失われたと解釈できます。

「時間が価値を上げてくれる」「時間が価値を下げてしまう」という視点を持つことで、お金の使い方が変わるかもしれません。

今すぐ「お金を使う」のを我慢することも大事?

富裕層マインドを身につければ、日々のお金の使い方が大きく変わるでしょう。そして、時間の重要性は資産形成や資産運用の世界にも当てはまります。

仮に目の前にある100万円を年複利10%で資産運用できたとしましょう(複利については後述)。5年後に約61万円増加して約161万円になり、10年後は約260万円になります(運用益には別途所得税・住民税が課税されます)。

今すぐに100万円の物を買ってしまえば元手はゼロになります。しかし5年で約161万円、10年で約260万円にすることができるかもしれません。100万円の物を買ってもおつりがきます。

言い換えれば、「今ある100万円は5年後、10年後の100万円よりも価値が高い」ということです。お金には時間的な価値があることを知っておきましょう。

このように考えると、実は本記事のタイトルの正解はひとつではありません。今ある100万円が5年後に105万円よりも増やせなさそうなら105万円を選択すればいいですし、もっと増やせそうであれば今すぐ100万円をもらえばいいのです。