「投資を始めてみたいけれど、まとまったお金がない」という方は少額で投資できるサービスを検討してみてはいかがでしょう。

100円から投資できるサービスもあり、その種類は多種多様。とりあえずお試ししたいなら「ポイント投資」、長期積み立てなら「つみたてNISA」か「iDeCo」、短期取引をしたいなら「単位未満株」か「FX」といった具合に、あなたに合うサービスを絞ることができます。

初心者におすすめの少額投資サービスを10種類紹介します。自分に合った投資生活をスタートしましょう。

少額でも投資ができる

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少額投資の概要をおさえましょう。

100円から投資できる

少額投資サービスの種類は、下記のようなものがあります。中には100円からスタートできるものもあります。

  • 1,000円以下で始められる…投資信託、つみたてNISA、ポイント投資
  • 1万円以下で始められる…iDeCo、おつり投資、純金積立、ソーシャルレンディング
  • 10万円以下で始められる…単位未満株、FX、ロボアドバイザー

投資対象もさまざまで、株式や外国通貨、また純金への投資も少額からスタートすることができます。

まとまった資金がないなら「積み立て投資」もOK

投資のやり方はまとまったお金を一度に投資する「一括投資」のほか、少しずつ投資していく「積み立て投資」という方法もあります。

少しずつ投資していきたいという方は積み立て投資がおすすめです。お金が貯まるまで待たなくても少額から始められますし、早く投資を始めることで利益も大きくなります。

(画像=著者作成)

投資初心者におすすめの少額投資10選

(写真=west_photo /stock.adobe.com)

投資初心者におすすめの少額投資サービスを、金額別に10種類簡単にまとめて紹介します。もちろん、すべてリスクがあるので、その点は注意しましょう。

1,000円以下で始められるおすすめ少額投資

(画像=著者作成)

・投資信託 ネット証券なら100円から投資できる

投資信託 最低投資額 手数料 投資できる場所
100円から 買うとき
保有中
売るとき
銀行
証券会社

少額投資の代表的な存在が「投資信託」で「ファンド」ともいいます。最低投資額は投資信託を買う金融機関によって違い、ネット証券だと100円から投資できるところもあります。

手数料は投資信託を買うときにかかる「販売手数料」と、投資信託を持っているときの「信託報酬」、売却するときの「信託財産留保額」があります。投資信託ごとに違いますので、買う前に「目論見書(=商品説明書)」をチェックしましょう。

・つみたてNISA 非課税で投資信託を積み立て

つみたてNISA 最低投資額 手数料 投資できる場所
100円から 保有中
解約するとき
銀行
証券会社

「つみたてNISA」は商品ではなく、非課税で投資信託を運用できる制度です。

つみたてNISAを通して投資信託を買うと、利益から税金が引かれないため手取りを増やすことができます。投資対象が投資信託なので、ネット証券で行えば100円から投資ができますよ。

つみたてNISAは手数料面でも優れており、販売手数料は無料で、信託報酬が高い銘柄も除外されています。

・ポイント投資 現金なしで投資の疑似体験

ポイント投資 最低投資額 手数料 投資できる場所
ポイントのまま 100ポイント 無料 ポイント会社
カード会社
ポイントで
実際に投資
100円から
※株の場合銘柄による
買うとき
保有中
売るとき
証券会社

現金の代わりにポイントを使う「ポイント投資」も投資初心者にはおすすめです。現金を使わないのでより手軽に投資が可能です。

ポイント投資には2つの種類があります。ポイントのまま運用するタイプと、ポイントを使って実際に株式や投資信託を買うタイプです。ポイントのまま運用するタイプの方が気軽に始められますが、より本格的に体験したい方は実際に投資するタイプがおすすめです。

1万円以下で始められるおすすめ少額投資

(画像=著者作成)

・iDeCo 老後のために5,000円から積み立て運用

iDeCo(イデコ) 最低投資額 手数料 投資できる場所
5,000円 加入時・加入中
将来の出金など
銀行
証券会社

「iDeCo」は老後の資産作りをサポートする制度です。iDeCoにお金を積み立てておき、老後の受け取りまで投資信託などを使って運用します。投資の利益は非課税で、掛け金は全額所得控除になり、節税しながら資産形成できます。

iDeCoは月5,000円から始めることができ、金額は1,000円刻みで変更可能。加入後は原則脱退できないので注意しましょう。

・おつり投資 貯まったおつりを自動運用

おつり投資 最低投資額 手数料 投資できる場所
5円~1万円 保有中
月額利用料金
おつり投資会社
携帯通信会社

「おつり投資」は毎日のお買い物で発生するおつりを投資に回していく、積み立て投資のサービスです。

おつりの引き落としは少額から始まりますが、運用が始まる金額はサービスごとに違います。おつりが1万円まで貯まってから運用が開始されるサービスもあれば、5円から運用が始まるものもあります。

・純金積立 実物の金をコツコツ積み立て

純金積立 最低投資額 手数料 投資できる場所
1,000~3,000円 買うとき
保有中
売るとき
金の引出し手数料
証券会社
金地金会社など

「純金積立」は現物の金を少しずつ買っていく投資法です。証券会社や金地金を取り扱う会社で行うことができ、月に1,000円程度から始められます。

金は実物の資産です。年会費など、保管の費用が反映された手数料がかかることがあります。実物の金として引き出す場合も手数料がかかります。

・ソーシャルレンディング

ソーシャル
レンディング
最低投資額 手数料 投資できる場所
1万円程度
※案件による
保有中 ソーシャルレンディング会社

「ソーシャルレンディング」は「貸付型(融資型)クラウドファンディング」とも呼ばれ、事業者にお金を貸し出し、金利収入を得る投資方法です。投資金額は案件ごとに違い、1万円という少額で投資できるものもあります。

10万円以下で始められるおすすめ少額投資

(画像=著者作成)

・単位未満株(1株単位の株式) 少額で本格トレード

単位未満株 最低投資額 手数料 投資できる場所
数百~数万円
※銘柄による
買うとき
売るとき
月額利用料金
証券会社

「単位未満株」は、1株単位で株式を売買できるサービスです。通常の株式は100株単位の売買なので、株価の100倍の金額が必要です。1株単位で取引できる単位未満株なら少額で投資ができますよ。

単位未満株は売買時に「売買手数料」がかかります。売買手数料の代わりに月額の利用料金がかかる単位未満株サービスもあります。

・FX 1~1,000通貨単位なら少額でできる

FX 最低投資額 手数料 投資できる場所
数百~数万円
※FX会社による
買うとき
売るとき
FX会社
※少額なら1,000通貨以下の
取引OKのFX会社がおすすめ

「FX」は外国の通貨を使った投資ですが、少額投資する場合は1,000通貨以下の取引ができるFX会社を選ぶとよいでしょう。1万通貨以上の取引しかできないFX会社だと取引金額が大きくなりがちです。

たとえばアメリカドルの場合、1万通貨とは1万ドルのことをいいます。1ドル=110円だとすると110万円になり、金額が大きくなってしまいます。1,000通貨なら1,000ドルですから、11万円で取引できます。中には1通貨単位で取引できるFX会社もありますよ。

・ロボアドバイザー ある程度まとまったお金を自動運用

ロボアドバイザー
(投資一任タイプ)
最低投資額 手数料 投資できる場所
1,000円~10万円 保有中 証券会社
ロボアドバイザー会社

「ロボアドバイザー」はお金を自動で運用してくれるサービスです。「おつり投資」で利用されることもありますが、直接お金を預けることもできます。

ロボアドバイザーにお金を預ける場合、比較的まとまったお金が必要ですが、1,000円から受け入れているところもあります。

【FPおすすめ】投資タイプ別おすすめの少額投資

(写真=kai /stock.adobe.com)

少額投資にはたくさんの種類がありますね。金額別だけでは選ぶのが難しい方のために、タイプ別でおすすめの少額投資をご紹介します。

お試しで始めるなら「ポイント投資」

ポイント投資は現金を使わずに投資ができます。お試しでやってみたい方にぴったりです。「試しにやってみたい」という方はポイント投資をおすすめします。

長期の積み立てなら「つみたてNISA」か「iDeCo」

長期に渡って少しずつ積み立てていきたいという方は「つみたてNISA」か「iDeCo」がおすすめです。

長期運用にもリスクがありますが、複利効果で利益が大きくなる傾向があります。つみたてNISAとiDeCoはどちらも非課税で運用できますから、効率的に運用できますよ。

短期取引なら「単位未満株」か「FX」

短期で取引をしたい方は「単位未満株」か「FX」がおすすめです。

短期取引の場合、ある程度値動きがある方が向いています。個別の銘柄に投資する単位未満株やFXは比較的値動きが大きいので、少額で短期取引をしたい方は単位未満株やFXを選択しましょう。

少額投資非課税制度(=NISA)ってなに?

(写真=SB /stock.adobe.com)

せっかく少額投資するなら利用したいのが「少額投資非課税制度(NISA)」です。投資が有利になる制度なので、どんな制度かチェックしましょう。

投資の利益に税金がかからなくなる優遇処置

NISAとは運用の利益が非課税になる優遇制度です。投資の利益には普通20.315%の税金がかけられますが、NISAなどの優遇制度を使うと税金がかかりません。

NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。

一般NISA 年間120万円まで、株式か投資信託に投資できる。
買ってから5年間は運用益が非課税。
いつでも解約出金できる。
つみたてNISA 年間40万円まで、投資信託に投資できる。
買ってから20年間は運用益が非課税。
いつでも解約出金できる。

投資の利益が非課税になる優遇制度は、それぞれ取引ルールが違います。利用の前に必ずチェックし、自分にぴったりのものを選びましょう。

少額投資のメリット・デメリット

(写真=tamayura39 /stock.adobe.com)

少額投資のメリット、デメリットを確認しましょう。

少額投資のメリット

少額投資はすぐに始められる点がメリットです。大きな金額が貯まるまで待つ必要がありませんから、すぐに投資を始められます。

積み立て投資をしやすい点もメリットです。最低投資額が大きい投資だと、積み立ての度にその金額を投資する必要があります。少額投資なら積み立て金額の融通がききますから、積み立て計画を立てやすいメリットがあります。

【少額投資のメリット】

  • すぐに始められる
  • 積み立て投資がしやすい

少額投資のデメリット

少額投資は投資する金額が少ないため、リターンも少なくなってしまいます。将来的に投資金額を大きくすれば問題ありませんが、金額が少ない間はもの足りないリターンになってしまうかもしれません。

少額投資ではコストにも気をつけなければいけません。「〇%」のような手数料ならいいですが、「月額〇円」というような定額の手数料だと、投資金額が少ないうちは割高になってしまいます。

【少額投資のデメリット】

  • リターンも少額
  • コストが高い可能性

最初の投資は少額から 自分に合った方法を選びましょう

(写真=naka /stock.adobe.com)

少額で投資を始めたら、運用資金を大きくし、本格的に始めることを検討しましょう。少額投資の「リターンが小さい」「コストが割高」というデメリットは、資金を大きくすることで解消しやすくなります。

少額であっても、投資の仕組みやルールは本格的な投資と基本的に同じです。将来、本格的に投資を始めるときも、少額投資で得た経験はきっと役に立つでしょう。

若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融系ライターとして活動しています。 関心のあるジャンルは資産運用や保険、またお得なポイントサービスなど。お金にまつわることなら幅広くカバーし、発信しています。 AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有
 

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