一律に支給されることになった特別定額給付金。すでに申請を済ませた方も多いのではないでしょうか。給付金の使い道として、「貯蓄」と答える方の割合は少なくありません。ですが、「給付金の一部は貯蓄に回したい」とお考えの方は、「投資」も選択肢の一つとして検討するのも良いのではないかと思います。ここでは、投資のリスクが怖いと感じる方のために、リスクを抑える手法をわかりやすく解説します。

投資におけるリスクとは?

投資を行って得られる収益のことを「リターン」といいます。リスクは、一般的には「危険」という意味で使われますが、「投資のリスク」は、損をするということだけではなく、収益が得られたり損失が出たりする、リターンの不確実性の度合い、価格の振れ幅のことをいいます。一般的に、高いリターンを期待できる金融商品はリスクも高く、リスクが低い金融商品はリターンも低くなる傾向があります。

投資における代表的なリスクを見てみましょう。

  1. 株価変動リスク:株式の価格が上下する可能性のこと
  2. 信用リスク:株式や債券などを発行している国や企業が預かっているお金や利息を返済する能力がなくなる可能性のこと
  3. 流動性リスク:市場で、売りたい時に売ることができない、希望する価格で売れない可能性のこと
  4. 金利変動リスク:金利の変動によって、債券の価格が変動する可能性のこと
  5. 為替変動リスク:為替レートが変動する可能性のこと

リスクを抑える投資手法、3つのポイント

リスクを抑える方法として3つの投資手法があります。そのポイントは次のようになります。

資産の分散で価格変動のリスクを抑える

“株式”や“債券”、“国内”と“国外”のように、値動きの異なる資産や銘柄、性質の異なる投資対象地域を組み合わせて投資することで、保有している間の価格変動のリスクを抑え、資産全体の値動きが穏やかになるという効果があります。

時間の分散で価格変動のリスクを抑える

それぞれの資産は異なった値動きをします。そこで、一度に多額のお金を投資せず、何回かに分け、少額で毎月一定額の投資を行います。価格が高いときには少し、安いときには多く投資できるので、平均購入価格が安定します。

長期間持ち続ける

相場は、短期間では大きく変動することがありますが、一般的に長期間投資すれば短期的な変動に左右されにくくなり、価格の振れ幅が小さくなる傾向があります。

投資は、老後に備えるための資金など、当面使う予定のないお金で行います。医療費など急な出費に備えるお金や数年後に使う予定のあるお金は、残しておくことを忘れないようにしてください。

“イデコ”、“ニーサ”って?

これまでに紹介した、投資のリスクを抑える3つの方法を取り入れ、有利な条件でお金を貯めることができるのが、iDeCo(イデコ、確定拠出年金)とNISA(ニーサ)です。

iDeCoやNISAには、所得税や住民税が軽減される、売却して得た収益や受け取った配当に税金がかからない、など、資産形成に大きなメリットがあります。月に数千円と少額から始めることができますので、制度をよく理解したうえで、ぜひ活用していただきたいと思います。

教育費を貯める、旅行費用を貯める、老後資金を今から準備する、など目的によってそれぞれの制度を使い分けましょう。

制度を活用しリスクを抑えてチャレンジしてみよう

日本は将来少子高齢化の影響で、社会保険料や税金の負担が増えると予想されています。ですが、金利が低いため預貯金だけではお金は増えていきません。効率よく資産形成をするために、投資を始める人が増えてきているのです。

とはいっても、投資は、損失が出ても自己責任になりますので、安易に始めるのは禁物です。しっかりと情報を収集し投資の基本を学んだうえで、将来に向かって貯蓄を増やしていただきたいと思います。
 
文・藤原洋子
所属・フィナンシャルプランナー
生命保険会社で営業職を経験し、AFP資格を取得。現在は、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、執筆、相談、セミナーを通して活動しています。

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