新型肺炎の影響で、多くの企業で働き方が見直されている今、テレワークや時差出勤を実施する企業が増えてきています。以前から推進されてきたテレワークですが、今回の取り組み次第では、より一層テレワークという働き方が一般的になる日がくるかもしれません。また、これを商機と見てテレワーク関連事業を進める企業も出てきています。

広がるテレワークの導入

経団連の中西宏明会長は、小池都知事との会談において「7割以上の企業がテレワークの導入に取り組んでいるという回答を得ています」とコメント。さらに、時差出勤については9割以上が実施、または実施予定だと答えていることから、今後もテレワークという働き方がより身近なものになると考えられます。

現段階で、各社がどのようにテレワークの導入を実施しているか、具体的に見ていきましょう。

資生堂や電通、都庁や県庁も在宅勤務を導入

今回注目すべきところのひとつが、住友化学や電通など、昔ながらの風潮が残ると言われがちな企業でも続々と時差通勤やテレワークが奨励されていることです。特に電通については、東京・汐留の本社ビルに勤務するすべての従業員を対象に、迅速にテレワークの導入が行われたことから、世間の注目を浴びました。

ほかにも、KDDIでは派遣社員を含む約1万6,000人の従業員に対して時差出勤やテレワークを推奨しているほか、ヤフーでは国内の全従業員約6,500人に対し、通勤ラッシュを避けて時差出勤するように通知。

いち早く在宅勤務を実施した企業のひとつでもあるGMOインターネットグループでは、全従業員の9割に在宅勤務を実施するだけでなく、来訪客に対する検温体制を整え、サーモグラフィーによるチェックを実施するなど徹底した感染予防が話題を呼んでいます。

そして、行政職でもIT化が進み、都庁・県庁・市役所などを中心にテレワークを積極的に導入する流れが顕著です。特に持病がある人などに配慮するケースも多く、福岡県久留米市では、新型肺炎に感染すると重症化しやすい持病がある職員に対して在宅勤務を認めています。自治体に限らず民間企業でもリスクに配慮した対応が見られ、例えばパソナグループでは妊娠中のスタッフには在宅勤務を推奨しています。