これからの時代、常に新しい考え方や学びを身につけるために自己投資していく必要があります。しかし、結果が出ないことに時間やお金をつぎ込んでしまっては意味がありません。

『会社では教えてもらえない 一気に伸びる人の自己投資のキホン』 (安井元康著、すばる舎)より、人生やキャリアの選択肢を広げていくための自己投資の方法についてご紹介します。

自分に合った自己投資の方法を見つけるには?

学歴と職歴は必ずしも一致しないことがよくあります。

著者は、ごく普通の都立高校から、ごく普通の中堅大学に進んだと自身の学歴について語っています。学生時代は、学費と生活費を稼ぐためにアルバイトなどをこなしてきました。ある意味では、平均的な大学生としての過ごし方なのかもしれません。

迎えた社会人生活で、「自分は学歴で勝負できない」という現実を直視した著者。これからは、職歴で勝負していこうと思い立ちます。

自分が現在置かれた状況を受け入れ、将来を過去と現在の延長として見るのではなく、常に未来思考、つまり成功している自分からの逆算で、その時々にやるべき自己投資をしてきました。(4ページより引用)

著者が就職したのは就職氷河期といわれた時代のこと。ITバブル崩壊直後の2001年に新卒でベンチャー企業に飛び込みます。

その後の職歴は圧巻です。20代で上場企業2社において役員に、30代では戦略コンサルティング会社の幹部から売上1200億円を超える上場企業の社長になります。

自分が勝てる場所と勝てるやり方を常に探りながら自己投資。焦らずに、でもがむしゃらに努力を続けてきたのだといいます。

自己投資といえば、一般的にセミナー通いや資格取得といったイメージがあります。しかし、誰にでも当てはまる成功の方程式などはありません。

大事なことは、自分に合った自己投資は自分で考えることなのだと本著には書かれています。テーラーメイドの自己投資法を自ら考える。そして、目先の結果にとらわれることなく、5年後も10年後も第一線で活躍するために、本当の実力を身につけることを目指すべきなのです。

自己投資、最初の第一歩は小さければ小さいほどいい

自己投資の大切さは分かるけれど、実際のところ時間がなかなか取れないという人も多いのではないでしょうか。その回答は明確で、「思い立った今日、その日が初日」であると著者はいいます。

たとえば、一番集中できる早朝に、自宅で線を引きながらじっくり読む、考える・読み返す場面では、通勤時間を活用するなど、自分にとって何が効率的かを模索してみてください。(105ページより引用)

完璧な良いタイミングなどは存在しない。だからこそ、やるかやらないかだけの話であるといえるでしょう。

最初のステップは、小さければ小さいほど良さそうです。今日1冊の本を買ったら5分でも1ページでも、まずは読んでみる。大きなステップを最初からするのではなく、むしろ小さなステップから始めることが、挫折しない成功の秘訣であるといえそうです。

入り口時点でのハードルを下げて、取り掛かりやすいことから始めることで、自己投資に慣れることができそうです。

コスパ最強の自己投資は読書

著者は、「結局、読書がコスパ最強の勉強法」であるといいます。1冊1000円前後から一流の知識や知恵に触れられるのですから、効率がいい投資対象であることは明らかです。しかし、ただ本を読み、眺めているだけでは意味がありません。付箋を貼ったり、大事なところに線を引いたりして、著者の意見と対峙しつつ読むことが重要です。

一般的に本を出すほどの著者は、それぞれの分野で実績があるものです。著名人や実力者と実際に会って話をすることは難しくても、その考えと直接対峙できるのが読書であるといえます。

著者の意見と自分の意見とを比較しつつ、その違いを考えながら読み進めて自分のものにしていく。いかに読書が自己投資として効果的な勉強法であるかかが分かります。