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2019/05/24

地方移住でフリーランスデビュー?地方自治体がクラウドソーシング企業と提携

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
企業や団体に所属しないフリーランスが働きやすい環境を作り、地方創生を目指す自治体が出てきた。鹿児島県奄美市や宮崎県日南市で、クラウドソーシング運営会社と連携し、テレワークのセミナーを開くなど本格的な活動に入っている。

クラウドソーシングの報酬が極端に安く、生業としているのがスキルの高いごくわずかに限られることから、フリーランスの移住者増加など大きな成果はまだ出ていない。だが、関係者は場所や時間にとらわれない新しい働き方で人口減少が続く地域の苦境を打開しようと張り切っている。

奄美市は50人以上のフリーランス移住が目標

奄美大島にある奄美市は、2015年からクラウドソーシング大手のランサーズと提携して「フリーランスが最も働きやすい島化計画」を進めている。2020年までに200人のフリーランスを育成し、50人以上の移住者を誘致するのが目標だ。

奄美大島は豊かな自然と独特の伝統文化に恵まれているものの、働き口が少なく、若者の島外流出が続いている。人口は6月現在で約4万4000人。1985年の6万人余りをピークに減少の一途をたどっている。

観光と農林水産業が基幹産業で、他に大規模な産業がない。離島のハンディもあり、高い失業率に悩まされてきた。そこで、目をつけたのが本土との距離の遠さを克服しやすいIT関連産業だ。中でも企業などが発注するデザインや記事、文書作成を個人がインターネットとパソコンを通じて請け負うクラウドソーシングに注目した。

市は市役所内にフリーランス支援窓口を開設し、市民への情報発信に努める一方、これまでに市民ら86人を集めてフリーランスの働き方講座を開いてきた。主に記事や文書の作成とデザインについて講習している。同時に、市中心部にしか備わっていない高速インターネット回線網を2016年度から3年かけて市内全域に広げることにしている。

セミナー受講者のほとんどが女性だが、スキルアップへの意欲は高い。奄美市商水情報課は「新しい働き方なら、離島のハンディを克服できる。フリーランスが働きやすい島に変え、地域振興につなげたい」と意気込んでいる。

日南市はWebライター100人養成を目指す

日南市はテレワークで市民の収入拡大に取り組んでいる。クラウドソーシング大手のクラウドワークス <3900> 、宮崎市のIT企業アラタナと提携、2015年から子育てなどで通勤が難しい主婦らを対象にテレワークの講習会を開いている。

テレワーカーからの各種相談に応じる支援体制を構築するとともに、2020年までにWebライターを100人、クラウドソーシングで月額20万円以上稼ぐ人材を10人育成する計画を立て、総務省の地域情報化大賞2015で特別賞を受賞した。

宮崎県南部にあり、6月現在で人口約5万3000人。1980年の7万3000人をピークに人口減少が続いている。市内に雇用の場所が少ないことから、インターネットを通じて都会の仕事を受注できるクラウドソーシングに目をつけ、2014年には全国初の公設コワーキングスペース油津赤レンガ館を開設した。

首都圏からIT企業7社を誘致し、今後3年間で150人以上の地元雇用を見込んでいるが、テレワークの講習会で学んだ主婦の中には、進出してきたメディア運営企業に就職した人もいる。

日南市商工政策課は「Webライティングのスキルを高め、多くのフリーランスが集まる街にしたい。成功すれば移住者の増加など多くの面で可能性が高まる」と意欲いっぱいだ。
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