キャリア
2019/03/17

自治体が地域づくりのプロ採用。長崎で年収1200万円も

(写真=oneinchpunch/Shutterstock.com)
(写真=oneinchpunch/Shutterstock.com)
全国の地方自治体が地域づくりのプロを本気で募集するようになってきた。中小企業支援、自治体内の人材育成など仕事はさまざまだが、中には年収1000万円以上の高額報酬で優秀な人材確保に動くところも出ている。

急激な人口減少や産業の停滞に苦しむ自治体は、地域づくりを進めて地方創生を実現することを迫られているが、地域づくりを担える人材がいるかどうかで成功の鍵を握る。人材が育つのを待つ余裕がないとしたら、外から人材を集めるしかない。高額報酬で人材確保する裏側には、切羽詰まった自治体の苦しい事情が見え隠れする。

年収1200万円で「中小企業支援のDr.コトー」を確保

長崎県の五島列島にある新上五島町は、町産業サポートセンターのセンター長を公募した。中小企業支援センターのトップとして経営相談に応じ、島の活性化を図るのが仕事で、契約は1年ごとに更新され、最長で3年間継続できる。年収は1200万円。月額にすれば100万円で、78万円の町長より高い。

全国から146人の応募があり、2月に1次審査を通過した5人を面接した結果、福岡県在住で地元紙や総合食品会社に勤務歴を持ち、地域おこし雑誌の編集経験がある平義彦さん(46)を選んだ。町役場は平さんを「中小企業支援のDr.コトー」と呼ぶ。

町産業サポートセンターは通称「Sima-Biz(シマビズ)」。町内にある中小企業の強みを引き出し、売り上げアップを図る産業支援組織として設立された。公設民営の中小企業支援センター先進例で、「行列のできる中小企業相談所」といわれる静岡県富士市産業支援センターのサポートを受け、地域活性化に取り組む。

新上五島町は中通島、若松島を中心に有人5島と無人約60島を管轄する。豊かな自然と歴史ある教会で知られているが、人口は年々減少し、2月現在で1万9400人。1970年の4万6800人に比べ、半数以下になった。最近は年間500人のペースで人口が減る。高齢化率も4割近い。

かつては遠洋漁業で栄えたが、漁獲高が減少して衰退した。公共事業の削減で建設会社は次々に倒産。1981年に開港した上五島空港は利用者減から2006年で閉鎖された。もはや存続の瀬戸際に立たされているといって良い状況だ。

新上五島町総合政策課は「人口減少に歯止めをかけるには、地元の事業者に利益を出してもらい、雇用を生むしかない。離島という悪条件もあるので、何としても優秀な人材を確保したかった」と狙いを語る。
1 2
Page 1 of 2
PREV 初めて部下を持ったら心がけたい5つのこと
NEXT 世間の人はいくらもらってる?職業や男女別の年収の差はいくら?

続きを読む