ハーバード大学が運営するハーバード・ビジネス・レビュー(HRB)で発表された調査によると、「朝型の学生はエリート街道を進む傾向が強い」という。ポジティブ思考で積極的に行動を起こす「プロアクティブ(Proactive)」な学生は朝型が多いことが、その根拠のようだ。

エリート街道を進むのは朝型人間?

生物学者クリストフ・ランドラー氏が2010年にHBRで発表した調査報告書によると、調査に協力した大学生367人のうち、「長期的なゴールの特定に時間を費やす」「自分自身で物事を変化させる自信がある」などポジティブ思考で積極的に行動を起こす人は朝型が多かった。

こうしたプロアクティブな姿勢が仕事や勉学の業績にプラス効果となるのか、朝型の人は学校で優秀な成績をおさめ、優良企業に就職する確率が高い。また問題を予期し、最小限に食い止めようとするそうだ。(Harvard Business Review2010年7月付記事 )

夜型のメリット・デメリット

確かに、Appleのティム・クックCEO、Virgin  Groupのリチャード・ブランソンCEO、ドナルド・トランプ大統領など、社会で大きな成功を収めた著名人には朝型が多い。

睡眠時間と生産性の関係については多数の調査結果が報告されているが、「夜型は睡眠不足に陥りやすい」ほか、米ノースウェスタン大学神経学部クリスティン・ナットソン准教授と英サリー大学時間生物学部マルコム・フォン・シャンツ教授が6年半にわたり、約43万人の成人(38~73歳)のライフスタイルが健康にあたえる影響を分析した調査でも、夜型の人は心理的障害、糖尿病、呼吸器疾患、および胃腸疾患を発症するリスクが高いと報告されている。

別の調査では、夜型の人は頭が良く、 ユーモアのセンスもあって外交的であるとの研究結果もある。しかし、エリート街道を進みたいのであれば朝型に切り替える方が確実かもしれない。

生産性の高い人が午前中に実践している4つのこと

それでは夜型の人でも今すぐ実践できそうな、「生産性の高い人が午前中に実践している4つのこと」をみてみよう。

1.1日を2等分する

ビジネスパーソン情報サイト「Men's Style Pro」 の設立者兼クリエイティブディレクター、サビール・ピール氏は、生産力を維持する意図で1日を午前・午後の2つに分けて効率よくタスクをこなしている。

午前中にこなすタスクを最高10個リストアップし、途中で飽きないように最も重要なものから取りかかる。2つタスクをこなすごとに腕立てふせ20回するなど、リフレッシュも忘れない。午後は会議やコンテンツの作成など時間を消耗するタスクに専念する。