入社前に抱いていた職場への理想や期待と現実のギャップから「リアリティ・ショック」という状態に陥る人がいます。しかし、それは新入社員に限らずベテランでも起こりうる現象です。どのように対処すれば良いのか解説します。

理想と現実のギャップで起こる「リアリティショック」

新しい職場に行って数か月経過してから、「こんなはずじゃなかった」と感じて再転職願望が生まれた経験がある方は多いのではないでしょうか? それは「リアリティショック」と呼ばれる心理現象が原因かもしれません。

転職を考えた時、私たちは事前に候補になる会社の情報収集を始めます。そこで、新しい職場の雰囲気やどんな仕事を担当するのか? というイメージを自分なりにつくっています。例えば「入社したばかりだし、細かく教えてくれるだろう」と思っていたけれど、実際は説明がアバウトで、都度聞かなければならないという現状に理想と現実のギャップが生まれることにより、「思っていたのと違う」というモヤモヤの感情を抱く……この一連が「リアリティショック」に当たります。

リアリティショックは学生から社会人になった新入社員に置きやすい現象ですが、中途採用者の場合は「前職ではこうだった」という過去の経験があるため、たとえベテラン社員でも、会社の制度や仕組みについて(産休から職場復帰したら予定していた仕事と違っていたなど)や、メンバーが変わってしまい人間関係が悪化したなどを原因に起こることがあります。このように、誰にでも起こりうる可能性があるものなのです。

リアリティショックの対策

リアリティショックを感じていたとしても、焦ってすぐさま転職を選んでしまうのは非常に危険です。原因が人間関係であれ、スキルの問題であれ、仕組みの問題であれ、不安に感じることを周りに共有することが何よりも大切です。

自分ができることを整理する

「もっと上手く仕事をこなせるはずなのに」と仕事が思うようにいかないのは、新しい環境なのですから当然のことです。いくら転職がスキル重視で採用をしていたとしても、すぐに現場で活躍してもらえるとは思っていません。

まずは、「できていること」や「成長していること」に目を向けて、自分を評価していきましょう。一つひとつ仕事を覚え、身に着けていけば、いずれかのタイミングで仕事が楽しいと思うタイミングがきます。焦らず、仕事を行うことが大切です。