OECDが「労働力統計報告書」を発表し、日本は65歳以上の高齢者の労働率が世界で8番目に高い国であることが明らかになった。

最も高い国はアイルランドで、日本の2倍に匹敵する40%の高齢者が働いている。高齢者だけではなく15~24歳の若年層も、日本の主要労働年代を上回る労働力だ。次いで韓国、コロンビアがトップ3という結果に。

ランキングはOECD加盟・パートナー国を中心とする38カ国 の労働力統計から、2017年のデータに焦点を絞って作成したもの。

高齢者の労働率が最も高い30カ国とその割合

30位 イタリア 4.0%
29位 ハンガリー 4.2%
28位 ポーランド 4.9%
27位 オーストリア 5.0%
26位 チェコ 6.3%
25位 ドイツ 6.6%
24位 オランダ 7.1%
23位 ラトビア 8.1%
22位 デンマーク 8.4%
21位 アイルランド 10.6%

19位 フィンランド 10.8%
19位 英国 10.8%
18位 ポルトガル 11.1%
17位 トルコ 11.8%
16位 スイス 12.1%
15位 オーストラリア 12.6%
14位 カナダ 13.7%
13位 スウェーデン 16.2%
12位 ブラジル 16.8%
11位 ノルウェー 18.9%

10位 米国 19.3%
9位 イスラエル 21.0%
8位 日本 22.8%
7位 ニュージーランド 23.4%
6位 チリ 24.4%
5位 エストニア 26.8%
4位 メキシコ 27.2%
3位 コロンビア 30.3%
2位 韓国 31.5%
1位 アイスランド 40.6%

高齢者の労働率は経済的な豊かさ、貧しさに関係ない?

ランキングを見ると国の経済的な豊かさ、貧しさを問わず、高齢者の労働率に大きな開きがある点に気付く。日本や米国といった経済大国では5人に2人の高齢者が働いているが、スロベニアやスロバキア、ギリシャ、スペインなど、負債や失業などの問題を抱えている国ではその割合が50人に1~1.5人に落ちる。

つまり高齢者が労働市場に参加するかしないかは、個人の資産や所得だけではなく、高齢者の労働意欲、高齢者を受け入れる労働・社会環境、文化的背景(家族が高齢者を養うなど)といった要因にも左右されると考えられる。

唯一高齢者の労働率が0%の国はルクセンブルク。報告書の数字を見る限り、労働力は25~54歳に集中しており(87.2%)、55歳を境にその半分以下(40.2%)に減少。65歳を過ぎると完全にリタイアというパターンが一般的なようだ。

日本人は労働力のピークを迎えた後も働き続ける

高齢者が労働に積極的な国のイメージが強い日本は8位。1位のアイスランドのほぼ半分という割合である。

ルクセンブルク同様労働力のピークは25~54歳だが(80.0%)、それを境に急激に落ちることはない。ほとんどの55~64歳が仕事を続けており(73.6%)、65歳以上は3割強(22.8%)に減る。男性(31.7%)は女性(16.0%)のおよそ2倍、高齢になっても働いている。