2020年の確定申告は2月17日から3月16日です。確定申告で書類の提出に迷わないよう、ここでは、確定申告に必要な書類について解説します。

確定申告で準備する書類は大きく分けて4種類

確定申告で準備する書類は「確定申告書」、「本人確認書類(マイナンバー)」、「所得を参照するための書類」、「控除を証明する書類」の4種類です。それぞれについて詳しくみていきましょう。

確定申告書

(写真=PIXTA)

確定申告書は、1年間の所得等を記載して申告するのに必要な基本の書類です。AとBの2種類の申告書があり、それぞれ第一表と第二表があります。Aは給与所得や年金所得、雑所得などを申告する書類、Bは所得の種類にかかわらず誰でも使用できる書類です。

会社員で医療費控除や住宅ローン控除を行う場合は、申告書A、フリーランスが売り上げの申告をするなら申告書Bを使用します。確定申告書は、お住まいの住所を管轄している税務署に連絡すれば郵送してもらえますが、国税庁のホームページの「確定申告特集」からも印刷が可能です。

また、国税庁ホームページの「確定申告作成コーナー」から画面の案内に従って所得金額などを入力すれば、申告書を作成でき、そのまま印刷して提出することができます。事前に準備しておけばデータ送信(e−TAX)も可能ですし、作成コーナーからなら計算間違いはありません。

本人確認書類(マイナンバー)

(写真=PIXTA)

確定申告書A、Bとも第一表に自分のマイナンバーを記載します。そして、配偶者や扶養親族等がいる場合には、第二表にも該当者のマイナンバーを記載します。申告書提出の際は本人確認書類を提示または写しを添付します。

マイナンバーカードを持っていれば、そのままマイナンバーカードを本人確認書類として利用できます。マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードあるいは、マイナンバーの記載がある住民票の写しまたは住民票記載事項証明書が必要です。これに加えて、以下のうちいずれかの身元確認書類が必要となります。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード
  • 公的医療保険の被保険者証
  • 身体障害者手帳

所得を参照する書類にはどんなものがある?

(写真=PIXTA)

給与所得者・年金所得者の場合:源泉徴収票

源泉徴収票は、給与所得者の場合、12月ごろに会社から配布されます。老齢や退職にともなう年金所得者の場合は、年金機構や企業年金から2020年1月ごろに発送されます。

事業所得・不動産所得がある場合:収支内訳書あるいは青色申告決算書

白色申告の場合は「収支内訳書」、青色申告の場合は「青色申告決算書」を添付します。不動産所得の場合は、不動産所得用の「収支内訳書」と「青色申告決算書」を使用しましょう。

書類は国税庁のホームページから印刷できます。また、「確定申告書作成コーナー」からも作成できます。なお、会計ソフトによっては、それらの書類を出力することも可能です。

株の取引をしている場合:株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書など

開設している口座の種類、取引の内容によって書類は異なります。例えば特定口座で源泉徴収なしを選択し、株の売却益を申告する場合は、申告書B第一表、第二表、申告書第三表(分離課税用)に加え「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」が必要です。計算明細書は、証券会社が発行する「特定口座年間取引所報告書」に従って記載、入力すれば簡易に作成ができます。

書類は国税庁のホームページから印刷、あるいは「確定申告書作成コーナー」から作成できます。

土地や建物の譲渡をした場合:譲渡所得の内訳書(土地・建物用)など

譲渡した不動産はマイホームかそれ以外か、発生するのが譲渡益か譲渡損かなどによって書類は異なります。たとえば、マイホームを売却して3,000万円の特別控除の特例を利用する場合は、特例を利用した結果、非課税になったとしても確定申告は必要で、申告書第三表と譲渡所得の内訳書などを添付します。

書類は国税庁のホームページから印刷、あるいは「確定申告書作成コーナー」から作成できます。

控除を証明する書類にはどんなものがある?

(写真=PIXTA)

ふるさと納税をした場合:寄付金受領証明書

寄付した自治体から「寄付金受領証明書」が送付されるので、その内容を確定申告書に記入、あるいは、「確定申告書作成コーナー」から入力します。なお、e−TAXを利用する場合は、寄付金受領証明書の添付は省略できます。

医療費控除を受ける場合:医療費控除の明細書

医療費控除の明細書は、医療費の領収書の内容を記載する書類です。国税庁のホームページから印刷、あるいは「確定申告書作成コーナー」から作成できます。健康保険組合等で発行される医療費の通知書を利用して明細書を作成する場合は、その通知書の原本も添付します。

住宅ローン控除を受ける場合:住宅借入金等特別控除額の計算明細書など

住宅ローン控除は、2年目以降は年末調整可能ですが、1年目は確定申告が必要です。1年目の書類としては、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、年末残高等証明書、登記事項証明書などが必要です。

災害などの被害にあった場合:領収書など

災害や盗難、横領で資産に損害を受けた場合は、雑損控除を受けることができ、災害に関連した支出の領収証を添付します。

年末調整で書類を出し忘れた場合

まずは、会社の担当者に相談してみましょう。1月までであれば、年末調整の修正が可能です。ただし、修正を会社で受付してくれない場合は自分で確定申告することになります。

必要書類は早めの準備を

2019年に確定申告を行った人は約2,200万人でした。毎年、確定申告の時期になると税務署はとても混雑します。混雑に巻き込まれると無駄な時間が消費されてしまいかねないので、正しく申告できるよう早めの準備を心がけましょう。

文・前田菜緒(1級ファイナンシャルプランナー、FP相談ねっと 前田菜緒

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