私たちにとって、身近な食品であるチーズやバターなどの乳製品。最近はなんかずっと高いような気がしませんか?その理由を調べてみました。

乳牛がどんどん減っている

根本的な原因として、チーズ・バターの原料となる牛乳を生産する乳牛が、どんどん減っていることが挙げられます。

農林水産省の「畜産統計調査」によると、乳牛の頭数は2017年時点で132万頭と、ピーク時(1985年)の6割に減っています。酪農家の高齢化・後継者不足による廃業が急速に進んでいることが主な原因です。

「牛乳」が優先

乳牛が減ると、「牛乳の値段が上がるのでは?」と思われるかもしれませんが、酪農家が出荷する牛乳は使い道によって優先順位があり、単価も変わります。

一番目に鮮度が重要な、飲むための「牛乳」を供給します。特に夏は飲料用の牛乳がたくさん売れます。バターやチーズは牛乳に比べると日持ちが良いので、冬に作りためていました。

しかし、最近は牛乳が一年中足りないので、バターやチーズの生産が追いつかず、品薄となっています。

足りなくても牛乳を輸入できないワケ

牛乳を輸入に頼れないのか、と疑問に思う方もいるでしょう。乳製品には、日本の酪農家を守るため高い関税が課せられており、企業は事実上、輸入できません。

輸入は、国の政策実施機関である「独立行政法人 農畜産業振興機構(alic)」が一括輸入しています。その後、国内業者に入札販売するなどの仕組みにより、余剰乳製品の発生を抑えています。

今は、食べて応援を

乳牛は妊娠してから生まれるまで約1年、それから牛乳を出す母牛になるまで約2年かかります。残念ながら、一度離農した酪農家がまた再開することは、ほとんどないようです。

ちょっと高いですが、国産チーズ・バターをこれからも安心して食べるため、今は買って応援したいですね。

文・横山剛史

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