株主優待で生活費を節約する方法がある。多くは日用品をもらったり、食券をもらったりするものだ。しかし、生活に充てる費用をそのまま金銭的に浮かせることができれば、その分生活に余裕がうまれる。同時に残った資金をまた投資に回すことも可能となる。
そこで生活費を浮かすための一つの方法として、ここではイオン系列の企業の優待を活用する方法を紹介したい。イオングループには、株主優待が似通っている企業が多く存在している。
上手に活用することで、条件次第では生活に使う金額のうち年間7%程度の金額を浮かせることが可能だ(後述)。イオン系優待の活用方法を、ステップを踏んでお伝えしたい。(株主優待情報は2018年1月12日現在のもの)
イオン関連優待を徹底的に活用するためには
イオン系列の店舗を利用している人なら、徹底的にイオン系優待を活用することで賢く生活したいものだ。活用する上でのポイントは以下の3つ。
(1)イオン関連企業で使える優待を実施している企業の株を選ぶ
(2)最低単元ずつ株を買う
(3)優待をもらって利用可能店で利用する
(1)の優待は以下の通り(カッコ内は実施している企業)。
イオン <8267>
――「イオンオーナーズカード」最低単元購入で買い物時に3%お得に
イオン優待の特徴は、割引率の高いカードをもらえる点にある。最低単元(100株)購入でも、毎回の買上金額の3%がキャシュバックされるため、使い方によっては非常にお得になる。半期で100万円までの制限があるものの、割引率が上がるポイントアップデーなども存在しているので上手く活用したい。
マックスバリュ6社、イオン九州、イオン北海道
――1000円以上で100円割引される「割引券」がもらえる(割引率10%)
マックスバリュやイオン九州は5000円相当の金券がもらえる。イオン北海道の優待のみ2500円。この優待は100円券が50枚(イオン北海道は100円券×25枚)で、1000円分の会計ごとに1枚利用可能という制限がある。
マックスバリュは全部で6社(東北<2655>、東海<8198>、中部<8171>、西日本<8287>、九州<3171>、北海道<7465>)、イオン系列は全部で2社(九州<2653>、北海道<7512>)ある。すべての企業を100株ずつ保有したとして、全部で3万7500円相当の割引券をもらうことができる。
計37万5000円分の会計で使い切れることになるが、よく利用する人にはその程度の買い物はしているだろう。割引率は10%なので、こちらの方が上述「イオンオーナーズカード」よりもお得度は高い。
イオンモール<8905>
――3000円相当分の「ギフトポイント」がもらえる
イオンモールの優待では、3000円相当のギフトポイントをもらうことができる。こちらは制限なしで利用が可能なので、3000円の会計にすべてのポイントを充てることが可能だ。
その後のポイント(2)(3)は、以下のようになっている。
(2)最低単元購入が基本、家族でもOK
株主優待は、保有株数を増やすともらえる優待の金額がアップすることも多い。しかし、保有株数と優待内容は比例しないことが多いので、株を買うなら最低単元を買うのが最も効率的だ。例えば、マックスバリュ1社を1000株買うより、マックスバリュ6社を100株ずつ買う方がもらえる優待が多く、必要投資金額も低いといった具合だ。
また家族がいる場合には、それぞれ100株ずつ保有する方法もあるので、優待や配当、業績などのバランスを見て買う銘柄を調整することも可能だ。マックスバリュ中部、西日本を1人で100株ずつ買うのではなく、マックスバリュ西日本を家族2人で100株ずつ買うなどの方法がこれに当たる。すべての優待銘柄購入に当てはまることだが、徹底活用するためにぜひ知っておいてほしい。
(3)徹底活用した場合をざっくり計算
イオン、イオン北海道、イオン九州、マックスバリュ(東北、東海、中部、西日本、九州、北海道)、イオンモールの10社の株を100株ずつ購入し優待を利用し、半期で50万円の買い物をした場合のシミュレーションを行うと、以下のようになる。
- 50万円の3%で1.5万円のキャッシュバック(オーナーズカード)
- 50万円のうち37万5000円は10%引きになる(マックスバリュ6社とイオン九州、イオン北海道優待)
- イオンギフトカードで3000円引きとなる(イオンモール優待)
上記すべての手続きをとって会計を済ませることで、50万円のうち5.5万円が手元に残ることになる。なお値引き後のキャッシュバックやポイントアップデーなどもあるので、使い方に応じて計算結果は多少異なる。
配当抜き優待のみで11%の利回りは非常に高い。外食系の優待などの利回りも高いが、異なるのはイオン系列の優待の場合に、配当とほぼ同額の金銭としてカウントすることができるところにある。上手に利用することで、賢く買い物をすることが可能なのだ。
文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online
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