【その3】ネタバレ視聴派も安心!より伏線を楽しめる
ドラマや映画などの物語の展開や結末を、先に把握してから見るという“ネタバレ視聴”が、『モーニングショー』(テレビ朝日系)や『スッキリ』(日本テレビ系)などのワイドショーで取り上げられ話題になっています。『スッキリ』によると、その理由として「先に結論を知ってから伏線回収しながら見たい」「ドキドキして心を乱されたくない」「安心して見たい」などの声があるようです。
『NHK大河ドラマ・ガイド「鎌倉殿の13人」後編』(NHK出版)
『鎌倉殿の13人』は既に歴史教科書で流れが把握できている分、ネタバレ視聴派も結末を調べずとも初見でネタバレ視聴と同様の満足感が得られていると思われます。また、昨今視聴者の間で「伏線回収を楽しむ」というドラマの楽しみ方が増えたおかげで、のちの展開へのヒントが随所にちりばめられている三谷脚本の妙を、素人でも察することができるのも満足度を高くしています。
5月1日放送の第17回で、のちの仇討ちが有名な“曽我兄弟”が、その兄弟かも定かではない状態で一瞬しか出こなかったもかかわらず「これは仇討ちへの伏線だ」となぜかトレンド入りしていたのは驚くべきことです。また、ストーリーの軸が把握されていることによって、三谷氏のセリフ、構成、アイデアを落ち着いて堪能できることも、脚本の絶賛につながっているのでしょう。
他、現代でもわかりやすい現代にも通じる言葉を使った会話や、どんなに殺伐した展開でも物語の中で随所に織り込まれるギャグや癒し場面など、すべての要素がバランスよくまじりあって『鎌倉殿の13人』は私たちの心を虜にしています。新キャストも続々発表され、ますます今後の展開から目が離せなくなってきました。
小政りょう 映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
提供・女子SPA!
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