移住先での家探しに失敗した

地方移住を夢見るとき、広々とした一戸建てや趣のある古民家での暮らしをイメージする人は多いかもしれません。しかし、居住環境は快適な生活を送る上でとても重要なものですから、慎重に考えてみる必要があります。

風通しよく作られた昔ながらの家屋は、虫や隙間風と切り離せず、冷暖房の効きが悪くなりがちです。長く空き家だったなどで、想像以上に修繕が必要になるケースもあります。メンテナンスや暮らしの工夫を億劫に感じる人、機密性や断熱性を求める人は、現代的な設備で暮らせる住まいを探す方が無難です。

子供の教育環境に不満がある

豊かな環境で子育てしたいという思いで、自然に恵まれた地方への移住を考える人もいるでしょう。のびのび過ごせる自然環境にはもちろん計り知れないメリットがありますが、子供の学習面に目を向けると不安な声が聞かれます。

まず、地方では学校までの距離が遠いことがよくあり、子供本人のみならず、部活の送迎などで親の負担も大きくなりがちです。進学先も、家から通える距離という条件では限定されてしまいます。生徒数が少ない環境で深い絆が期待できる反面、競争心や周囲からの刺激をモチベーションにすることはしにくいでしょう。都会と比較して学習塾や習い事の選択肢が限られる点も、親としては不安に思う要素です。

移住先に娯楽が少ない

都会から離れるほど、都会的な遊び場や飲食店の数が少ないのは避けられないことです。また、お店の閉店時間が早い、繁華街に行っても行き帰りに時間がかかるため遅くまで遊べないなど、物足りなさを感じることもあるでしょう。

美術展やコンサート・映画・舞台・セミナーといった文化的な催しは、大都市に比べるとどうしても機会が限られます。自然を満喫して暮らせれば満足なのか、それとも都市型の娯楽が欠かせないのか。自分が生活を楽しむために必要なバランスを見極めて住む場所を決めたいところです。

地方移住、田舎暮らしに向いていない人ってどんな人?

ここまで、地方移住にあたっての失敗談や懸念点をご紹介してきました。こうした声を受けて、どのような人が田舎暮らしに向かないタイプなのか考えてみましょう。

いろいろなものが足りない生活を楽しめない、工夫できない人

都会と比べて何かと不便な田舎暮らしにおいては、足りないものを補う知恵が必要になってきます。必要なものを調達する手段、代用品または使わなくて済むようなやり方を、頭を使って考えることになります。

そういった工夫が面倒に感じる人は、便利な都会暮らしを選んだほうが満足のいく生活ができるでしょう。また、飲食店巡りやクラブなど、都会ならではの楽しみを持っていた人は、代わりとなる楽しみを前向きに見いだす姿勢がないと、移住後につらくなるかもしれません。

都会での便利な生活を忘れられない人

都心では電車は数分おきに来ますし、そうでなくても交通手段が複数あることがほとんどでしょう。都会には商業施設は選べるほどあり、コンビニや深夜営業のお店など、必要なものがすぐに手に入る環境も揃っています。

公共施設や医療機関が整っていて、行政サービスも電子化など機能的に進歩している点でも、やはり都市部が恵まれています。細かいところでは、例えば都会のマンション住まいで24時間ゴミ出しができることに慣れている人も多いでしょう。そうした利便さを手放しても快適に生活できるか、念入りにシミュレーションしてみてください。

自分で判断して決められない優柔不断な人

地方移住にあたっては、移住のメリットデメリットを検討し、仕事を決め、住まいを見つけて手入れしながら暮らすといった、生活の算段を自ら立ててゆく必要があります。必要なものや情報を仕入れて問題に対処すること、自分のことだけではなく地域のコミュニティの一員として役割を果たすことも求められます。判断を人任せにし、与えられる物や情報でなんとかなるだろうという考え方では、地方移住とは相容れないでしょう。

今の環境から逃げたいだけの人

都会暮らしから田舎暮らしへライフスタイルを転換するのは、簡単なことではありません。前述した通り、自己責任で調べてリスクを覚悟し、能動的に生活環境を整えなくてはなりません。地域にも積極的に関わっていき、お互いに情報や助けを与え合うオープンなスタンスも不可欠です。

今の環境が嫌だから…という理由で移住を実行しても、後ろ向きな姿勢でいては、新たな環境の不便さに新たな不満が募るだけに終わるでしょう。環境を変えるだけなら他にも手はありますから、安易に移住という手段に走るのはおすすめしません。

まとめ

地方移住の失敗談は多岐に渡りますが、ひとつの共通点としては、田舎暮らしで発生する苦労を想像しきれていなかったことがあると言えます。地方移住を考える際は、その土地でどう生計を立てどのように生活するか、課題が出てきたらどのような手段で対処するか、可能な限り具体的にイメージしましょう。

田舎暮らしを実行に移すのは、想像を超える不便さにも前向きに対処しつつ暮らしを楽しむ覚悟を本当に固めてからにするべきです。あえて中堅都市を選んで、利便性を保ちながら憧れの自然を感じて暮らすという手もありますよ。移住したいという勢いだけにとらわれず、自分が快適に暮らすために必要とする環境を今いちどよく考え、検討してみてください。


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