4.歯石除去だけで歯周病は治りません

誤解や思い込みで悪化することも…犬の歯周病とデンタルケアの大切なお話
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

スケーリング(歯石除去)で歯の上の歯石を取り除くとキレイになりますが、これだけでは歯周病は治りません。なぜなら、歯周病を引き起こしているのは、歯石ではなく歯垢だからです。歯垢は単なる食べカスではなく、その約70%は細菌です。それが歯肉溝の中で増殖し、歯周病が起こります。

歯垢が石灰化してできる「歯石」の状態では、細菌は死滅しており、体に悪影響を及ぼすことはないです。ただし、歯石が付着すると歯の表面に凸凹ができて歯垢が付きやすくなり、細菌が増殖しやすい環境になるので、除去すること自体は大切です。

5.麻酔を怖がりすぎて歯のトラブルの治療が遅れないように

誤解や思い込みで悪化することも…犬の歯周病とデンタルケアの大切なお話
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

進行した歯周病の治療はおおむね麻酔をかけて行います。麻酔のリスクを必要以上に恐れて治療をためらう飼い主さんもいらっしゃいますが、そのために歯周病の処置が遅れると愛犬の体への危険度を高めてしまいます。もちろんリスクはゼロではないので、麻酔をするときには事前に検査をして、安全に麻酔をかけることができるかどうかを判断します。万が一、麻酔当日の体調が悪そうな場合は中止することもできます。また、乳歯が残っている子は避妊去勢手術の時にもできます。

無麻酔スケーリングを行う所もあるようですが、前述したとおり、歯石を取り除くだけでは、見た目はきれいになりますが歯周病の根本治療にはなりません。

6.まとめ

誤解や思い込みで悪化することも…犬の歯周病とデンタルケアの大切なお話
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

歯周病はデンタルケアの実践で、ある程度予防できます。犬の歯垢は約4日間で歯石に変わりますが、歯石になると歯磨きだけでは取れなくなります。できれば毎日お家でデンタルケアをしてあげましょう。

高齢犬、短頭種、小型犬、病気やストレスで免疫力が低下している犬、乳歯が残ったまま永久歯が生えている犬などは歯周病になりやすいので、より気配りが必要です。

歯周病以外にも、上顎を溶かしてしまう眼窩下膿瘍(がんかかのうよう)や、口鼻瘻管(こうびろうかん)などのトラブルもあります。また、お口のトラブルでなくても「食べ方がおかしい」「鼻水が多い」などの症状の原因が歯周病の場合も…。

歯周病は「見えない所で起こる病気」。セルフケアだけでなく定期的にかかりつけの獣医師さんのチェックを受けて、気になることはご相談を。適切な処置と正しいデンタルケアで愛犬の健康を守ってあげましょう。


提供・犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)

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