こやまゆかりの人気コミックを実写化した、4月より放送中のドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)。ヒロインを演じる土屋太鳳さんをはじめ、登場人物たちの強烈なキャラクターがぶつかり合い、イジメ、女同士の大喧嘩、家族同士の確執が仰々しく描かれ話題を呼んでいます。
(画像:『やんごとなき一族』フジテレビ公式サイトより)
なかでもインパクトがあるのが、ヒロイン義姉役の松本若菜さんの演技。初回放送終了後には、どのキャラクターよりも注目を集めました。
衝撃の第1話。松下洸平さんいわく“松本劇場”だった
ドラマ『やんごとなき一族』は、下町生まれの庶民・佐都(土屋)が上流階級の深山健太(松下洸平)のもとに嫁ぎ、家庭内の不和や争い、理不尽な慣習や礼儀に戸惑いながらも真正面から立ち向かっていく“アフター・シンデレラ・ストーリー”です。
松本さんは、佐都が嫁いだ深山家の長男の妻・美保子役を演じています。深山家の次男である健太が佐都と結婚したことにより、無能の長男にかわり跡継ぎに指名されてしまったため、佐都に対する妬みや憎悪を深めている、という役柄。
1話のラストでは、その恨みつらみから佐都に頭から水をかけ、サウナ室に閉じ込めてしまうという、一歩間違えれば殺人になりかねない“釜ゆでの刑”を執行。その際に発せられた「ニョキニョキニョキニョキタケノコタケノコニョッキッキと生えてきやがって!」というセリフはSNSをざわつかせました。公式インスタグラムによると共演の松下洸平さんも衝撃を受け、その演技を「松本劇場」と表現したといいます。
ハンマーを使用し、力づくでサウナ室のドアを破壊して脱出した佐都の行動も驚きでしたが、それ以上に美保子の迫力ある表情やぶっ飛んだセリフは視聴者の心をわしづかみにしたのです。
松本若菜は、ゲスト出演で光る名バイプレーヤー
松本若菜さんは鳥取県出身で、女優を目指し、22歳で上京。2007年に『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)にて、佐藤健さん演じる主人公の姉・野上愛理役で女優デビューしました。
その後はドラマ・映画のみならずバラエティや情報番組などで幅広く活動を続け、2017年公開の『愚行録』では、第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。その演技力の高さが話題になりました。
また、菅田将暉主演のドラマ『ミステリという勿れ』(フジテレビ系)の終盤に登場した刑事・猫田十朱役も記憶に新しいでしょう。伊藤沙莉演じる風呂光とコンビを組み、彼女に重要なアドバイスを授ける美しくクールな刑事役は、視聴者に強烈な印象与えたことは言うまでもありません。
松本さんはドラマではレギュラーキャストというよりゲスト出演が多い印象でしたが、驚くべきはそれが長年途切れていないこと。それだけ、多くの作り手やスタッフから信頼があり、どんな役柄も幅広くこなしてくれる演技力がある女優さんということなのでしょう。