「小さいころに習っていたから」「両親とよく聴きに行っていたから」……。人の趣味は、幼少期の過ごし方が大きく影響するといわれています。富裕層のなかにはクラシック音楽を好む人が少なくないですが、その理由の1つとして、こうした点があると考えられます。

家庭の年収で子供の趣味に差

総務省が過去に実施した「社会生活基本調査」では、年収300万円未満の家庭と年収1,500万円未満の家庭では、小学生の子どもの趣味に差があることがわかっています。

調査結果によると、年収1,500万円以上の家庭のほうが、「音楽鑑賞」「演劇鑑賞」「読書」などの趣味を持つ子どもが多いということでした。

音楽・映像ソフト販売大手HMVによる過去の調査でも、クラシック音楽に興味を持ったきっかけとして、幼少期の経験に起因していた人が多くいました。具体的には、「いつもクラシック音楽が流れている家に育ったから」「小さいころからピアノを習っていたため」といった回答があったようです。

ピアノやバイオリンはお金がかかる趣味

上記の回答からもわかるように、クラシック音楽に親しむきっかけとしては、両親の趣味のほか、クラシックピアノやバイオリンなどの習いごとが挙げられます。また、ピアノ教室やバイオリン教室などの月謝はスポーツ系のスクールに比べると高めで、ピアノやバイオリンの購入費用も高額です。

このような経済的背景も、富裕層家庭の子どもの趣味に影響するといえるでしょう。文部科学省の「子どもの学習費調査」によれば、年収が上がれば上がるほど親が負担する「塾・習い事などにかかる費用」も上がっています。