認可でも認可外でも、「本当に今預けなくてはいけないのか」は一度よく考えてみてほしい
編集部:保育園にいれたいと思った時、「認可に入れたい!」という方がほとんどで、中には認可外保育園に先入観を持たれる方もいますよね。
高原:認可外保育園は保育料も割高ですし、事故の報道も多く目にします。多くの保護者の方が「なんとか認可保育園に入れたい!」と感じるのは当然だと思います。
だけど認可外保育園も、質のいい面白い保育をしている園がたくさんあります。そのことがきちんと保護者の方に伝われば、保育園選びの選択肢が増えるんじゃないかとは感じますね。
また、保護者の方には「このタイミングで保育園に預けなくてはいけないのか」ということも考えてみてほしいなと思います。0歳児から預けないと認可保育園に入りにくいという地域も多く、そのために止むを得ず育休を切り上げて復職される方も多くいらっしゃいます。ですが、0歳から1歳の変化の大きい時期にお子さまの成長を近くで見守ることもかけがえのない経験になります。
保育園問題が早急に解決し、また多様な働き方がより広く認められる社会に変わっていくべきですが、同時に保護者の方も是非「本当に今預けなくてはいけないのか」と原点に立ち返って考えていただければと思っています。例えば、満1歳までは育休を取得し、認可外保育園にお子さまを預けて復職し、ポイントを稼いで翌年度に認可保育園を申請するという方法もあります。自分らしい理想の働き方・子育ての仕方を考えた時に、認可外保育園も一つの選択肢になればいいですね。
編集部:高原さん自身も一人の女性として、ママとして、煩悶している部分があるのですか?
高原:私自身は、自営業ということもあって育休が取れず、生後1か月から子連れ出勤をしています。だから、娘はまわりの子どもたちと比べるとお母さんと家でのんびり過ごす時間はあまり長くありませんでした。生後6ヶ月からは娘も当園の園児の一人になりましたが、私は園では園長先生なので、他の仕事をしているときは泣いていてもすぐに私が抱っこしてあげられないときもあります。母が見えているのに、触れ合えないというのはお互いにとってストレスにもなります。娘に申し訳ない気持ちになることもあります。
仕事が忙しく、家事も手抜きになりがちです。子どもやパートナーに対して「これができてなくて申し訳ない」って思ってしまうのは私も同じなんです。
だからお母さんたちに気持ち分かりますよ、って共感したり寄り添ったりしながら、保育園を運営していきたいなと思っています。
商社勤務から保育園の経営者と言葉で聞くだけでは華々しいキャリアを歩んできたかのように見えますが、高原さん自身も、働くママに共通する悩みを抱えていることが印象的だったこの日のインタビュー。ビジネスパーソンとしての真摯な姿勢と、1人の女性としての等身大の姿が、保育園をより良くしているのだろうなと感じさせられる時間でした。
提供・LAXIC
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