朝食にランチ、夜食と時間を問わず食べたくなるサンドウィッチ。いつものサンドウィッチもおいしいけれど、ちょっと変わったフレンチシックなサンドウィッチを作ってみませんか?

今回はパンの取扱説明書『パンのトリセツ』を池田浩明さんと共同執筆した、菓子・料理研究家の山本ゆりこさんにおいしいサンドウィッチレシピを教えてもらいました!

パン屋さんが丹精込めたパンに、少し手をかけておいしく食べて欲しい

パン好き必読の書『パンのトリセツ』は2021年の発売以来、今でも人気の一冊です。池田さんと共同執筆するのにはどんなきっかけがあったのでしょうか?

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)、『PARIS mag』より引用)

「ある日、パンラボの池田さんから「僕、めちゃめちゃ作りたい本があるんです!」と投げかけられました。いつもは飄々(ひょうひょう)としている池田さんが、めずらしく興奮気味だったのでよく覚えています(笑)。それが『パンのトリセツ』誕生のきっかけです」。

パン屋さんのガイドブックやレシピ本はあっても、パンの「取扱説明書」はなかったため山本さん自身も「おもしろそう!」と期待に胸を膨らませたそう。

「日本人の本格的なパン食文化は、あんぱんが始まりです。パンが売れなかったので、みんなが慣れ親しんだまんじゅうに寄せて開発したところ爆売れしました。つまり、私たちのパン食文化は、パン生地に何かをプラスした菓子パンや惣菜パンからスタートしたということ。作る側も買う側も何かしら加工したパンを作ったり買ったりする行為が、DNAにすり込まれているではないかと私は思っています」。

最近でこそ食パンブームが起こりましたが、これだけパン屋さんに多種多様な惣菜パンやおやつパンが並んでいるのは日本だけかもしれません。『パンのトリセツ』ではパンの取扱方に加え、レシピも紹介しています。

「巻末の『パンのための食材別レシピ集』は、手元にある食材からサンドウィッチやパンに合う料理が作れるような構成にしています。パンの章では、そのパンが生まれた国のスペシャリストにお話を伺いちょっと凝ったレシピを掲載。「“パン屋さんが心を込めて焼いたパンを、手をかけて大切にいただく”という営みが、この本をきっかけに広がってくれたらうれしいです」。

山本さんは、パリのホテルやパティスリーでフランス仕込みの技術を学んでいます。そんな山本さんが作るサンドウィッチは、PARISmag読者の舌を唸らせるはず!では早速作っていきましょう。

ウッフ・ア・ラ・コックで作る「たまごサンド」

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

【材料】(1人分)

食パン:2枚 ※8枚切りがおすすめ

バター:少々(室温に戻し、やわらかくしておく)

粒マスタード:少々

<フレンチたまごサラダ>

半熟卵:1個

クリームチーズ(KIRI):1個

マヨネーズ:10g

塩、粗挽き黒こしょう:少々

【作り方】

1.半熟卵を作ります。

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

鍋に底から2cm分の水を入れ、蓋をして弱めの中火にかけ沸騰させます。卵を冷蔵庫から出したら一度流水をかけて鍋に入れ、蓋をしてから4分茹でます。火を止め、蓋をしたまま4〜6分蒸らします。蒸らし終わったら、流水を当て冷やしながら殻をむきます。

2.フレンチたまごサラダを作ります。

小さいボウルに[1]を入れ、フォークでつぶしながら細かくします。ある程度細かくなったら、クリームチーズを加えさらに混ぜます。冷めたらマヨネーズを加え混ぜ、塩と粗挽き黒こしょうで調えます。

3.仕上げます。

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

食パン2枚、それぞれの片面にバターを塗ります。1枚のバター面に粒マスタードを塗り、[2]を隅々まで広げて、もう1枚のパンではさみます。対角線十字の4等分に切ったら完成。パンの耳はお好みに切っても◎。その場合、4等分に切る前に切ってください。

フランス人が大好きなウッフ・ア・ラ・コック(殻付き卵/半熟卵)を使って卵サラダを作ると、半生の濃い黄色と火が通った黄身のコントラストが楽しい卵サンドイッチになりますよ。クリームチーズを入れることで、フランス料理のような濃厚な仕上がりになりました。

たっぷりサラダがおいしい!「カンパーニュのオープンサンド」

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

【材料】(1人分)

カンパーニュ:1枚

バター:少々(室温に戻し、やわらかくしておく)

粒マスタード:少々

チーズ:適量 ※シュレッドタイプや、グリュイエールなどをスライスしても◎

<スイートサラダ>

きゅうり:1/2本

ミニトマト:6個

マーマレード:大さじ1弱

オリーブオイル:小さじ1

ホワイトヴィネガー:小さじ1

塩・粗挽き黒こしょう:少々

【作り方】

1.野菜をカットします。

きゅうりはイボを除き、せん切りスライサーでおろします。ミニトマトはへたを除き、半分にカットします。ミニトマトの大きさによっては4または6等分のくし切りにしてもOK。

2.カンパーニュを焼きます。

カンパーニュにバター、粒マスタードの順に塗り、チーズをのせます。オーブントースターでチーズが溶けて焼き色がつくまで焼きます。

3.スイートサラダを作ります。

カンパーニュを焼いているあいだに、ボウルにボウルに[1]、マーマレード、オリーブオイル、ヴィネガーを入れ、よく和え、塩と粗挽き黒こしょうで味を調えます。

4.仕上げます。

焼き上がった[2]に[3]をのせたら完成。フォークとナイフでいただきましょう!

カンパーニュをボトムにしたチーズトーストは変幻自在。今回はコンコンブル・ラペ(おろしたきゅうり)とミニトマトを甘いサラダに仕立て、たっぷりとのせました。このスイートサラダは多めに作って、メインディッシュに添えてもおいしいですよ。

フレンチサンドの大定番「ジャンボン・ブール」

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

【材料】(1人分)
バゲット:1/4本
バター:10g ※無塩がおすすめ

新玉ねぎ:適量

挽き黒こしょう:少々

<ハムのマリネ>

ボンレスハム:2枚(40g)

白ワイン:少々

<自家製きゅうりのピクルス>

きゅうり:3~4本

ピクルス液

酢(種類は好みで):60ml

水:100ml

砂糖:40g

塩:10g

ローリエ:2枚

『パンのトリセツ』山本ゆりこさんに学ぶフレンチサンドウィッチ3選
(画像=『PARIS mag』より引用)

この様なボンレスハムで作るとおいしく仕上がります!

【作り方】
1.ピクルス液を作ります。

小鍋にピクルス液の材料を全部入れてよく混ぜ、中火にかけます。軽く沸騰し、塩や砂糖が完全に溶けたら火からおろし粗熱を取ります。

2.きゅうりのピクルスを作ります。

きゅうりはイボを除き、拍子木切りにします。切ったきゅうりを密閉容器に並べ、粗熱がとれた[1]を注ぎます。ピクルス液が完全に冷めたら、蓋をして冷蔵庫に入れます。約2時間漬けるとちょうどよい味になります。

3.ハムのマリネを作ります。

お皿にボンレスハムを広げ、白ワインを注いで粗挽き黒こしょうをふり、冷蔵庫で最低10分冷やします。お子さんやアルコールが苦手な方は、白ワインを加熱しアルコールを飛ばして冷ましたものをお使いください。

4.新玉ねぎを切ります。

新玉ねぎは薄くスライスします。辛味が苦手な人は氷水にさらしましょう。

5.仕上げます。

バゲットに水平の切り込みを入れたら、内側にバターを塗ります。白ワインを切ったハム、マリネ液を切ったきゅうり、新玉ねぎの順にはさみ、粗挽き黒こしょうをふったら完成です。

カスクルート(バゲットのサンドウィッチ)の定番中の定番「ジャンボン・ブール」。日本製のハムでもフランス風においしく作れるように工夫しました。たっぷりバターに自家製ピクルスと新玉ねぎがアクセントです。ピクルス、新玉ねぎがなくてもおいしいですし、ピクルスがない場合は市販のものを使ってもOK。ピクルスは常備菜としても活躍してくれますよ!

フランス仕込みのサンドウィッチレシピを紹介してくれた山本さん。Instagramでは、フランスのこと、地元のこと、料理やお菓子について発信しています。ぜひチェックしてみてくださいね。


提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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